2008年7月30日 リアブレーキの強化


【はじめに】

今回は待望のリアブレーキの強化をしたのでレポートする。実は小僧のアルピナはすでにフロントにブレンボをつけて強化を図っている。このサイトにデビューする前の話だ。ただリアはノーマルのままだった。

いつかはリアもブレンボと思っていたが、たまたまオークションで新品のブレンボのロータスキャリパーを格安で入手できた。ただE32用のリアのローターとブラケットは市販には無いのでオーダーで製作をすることになった(お世話になったところは最後に紹介する)。

リアの強化とともにフロントのパッドの交換も行ったので合わせてレポートする。

 

【純正ブレーキ分解 & 下準備編】

リアブレーキ強化のためのブレンボセットである(ブレンボロータスキャリパー・フローティングドリルドローターφ340x28・ステンレスワイヤーメッシュホース・ブラケット・ボルト他)。

キャリパーはフロントに合わせてALPINA仕様の塗装済みである(お世話になったところは最後に紹介する)。




車体をジャッキアップしウマをかましてタイヤを外す。






フロントもパッド交換のためジャッキアップしタイヤを外している。

新しいローターを付けるためには一部加工する必要がある。ベンチレーテッドディスクになり空気の取り入れのためとクリアランス確保のためにバックプレートを加工する。


純正リアブレーキ。

まず、ブレーキオイルラインを外す。外した後に漏れ止めストッパーをつけておく。


青色のものがストッパーである。

つづいてキャリパーとローターの取り外し。外す前にパッドとローターの間にドライバー等を入れてキャリパーのピストンを少し戻しておく。キャリパーが外れたらローターを固定してあるボルトを緩めてローターを取り外す。


キャリパーはボルト2本で止まっている。

新しいローターをつけるためにバックプレートを切り取る。


白いケガキラインに沿って切り取る。

上側を一部残してあるのはオイルラインのブラケットがありそれを残すためである。


グラインダーを使って少しづつ切っていく。






切り終わったらヤスリでカエリを削って滑らかに仕上げる。

念のためローターをつけて干渉するところが無いか確認する。


ローター裏側。


オイルラインブラケット。




大丈夫なようなのでマスキングをして黒色のスプレーをしておく。ここまでの作業を左右両方について行う。
 







 

【ブレンボブレーキキット取り付け編】

ローターを取り付ける。取り付ける前にサイドブレーキ周りの油分等を取って綺麗にしておく。ローターの回転方向(フィンの方向)に注意して取り付ける。


仮にホイールボルトで仮止めし、純正の固定ボルトで取り付ける。

キャリパーの固定ブラケットを取り付ける。ブラケットを締め付ける前にキャリパーを仮止めしローターに対する位置を確認する。車体の個性により若干ずれる場合があるためでズレがあれば付属のシムで調整する。たまたま小僧のはピッタリであった。










良ければ本締めする。

キャリパーを取り付ける。


位置を確認しつつ固定する。












オイルライン(ステンレスメッシュホース)を取り付ける。


キャリパー側。


ラインジョイント部。








ここまでの作業を左右両方について行う。この取り付け作業が一番重要な部分になるので慎重にしっかりと取り付けをする。ボルトの締め付けなどはトルクレンチでマニュアルにしたがって適正に行う。

注 意

ブレーキは重要保安部品であり、自分の車を扱う場合以外、整備などには正式な資格が必要です。また、自分の車の整備であっても、終了後に車検場での制動力検査などが必要になります。
もしDIYでブレーキの交換をしたい場合、あくまで自分の責任の上で行ってください。取り付けに少しでも不安のある人は、プロの整備士の方に取り付けしていただくことをお勧めします。
小僧は、このレポートを参考にしての取り付け不備による損害などの責任を一切負うことはできません。

 

【ブレーキパッド取り付け編】

今回のリアブレーキ強化に合わせてチョイスしたパッドである。

以前は同じクランツのジガベーシックを使っていた。ホイールの汚れは少なくてよかったが制動力には少し不満があった。耐フェード性が悪く、何時間も運転したときにはブレーキの温度が上がりよくフェードが発生していた。


クランツのジガプラスだ。

「メーカの説明文より」

”クランツ・ジガ”の基本性能に加え、特に初期の応答性を飛躍的に向上させる新開発素材を使用した”ジガ・プラス”。高性能化する車に合わせ、全温度域での初期制動性を高めたのが特徴で、高速走行時からの急制動などの際に独特のフィールが残るメーカー純正部品に対し、より日本の道路事情を考慮し”感性”に重点を置いて開発が行われた。

従来は不可能とされていたクール時からの初期制動力は、いたずらにピークに及ぶことなく、耐フェード性も高次元で実現。大切な家族を乗せての高速ドライブや、時折のスポーティードラヴィングが、至上の悦びと変わる。

 

まずリア側から作業する。 




ブレーキシムグリースをピストン部とパッド上下部にたっぷりと塗りつける。






パッド側にも塗る。

パッドをキャリパーに装着する。






パッド止め金具をセットする。

この作業を左右両方について行う。

続いてフロント側の作業である。




まず、今付いているパッドを取り外す。






ピンの抜け止めを外す。


ピンをピンポンチて打ち抜く。


プレートを外す。


ブレーキセパレータでピストンを戻す。

このときオイルリザーブタンクの油面を確認し多ければ少し抜いておく(ピストンを戻したときに溢れるのを防ぐため)。


パッドを取り出す。出した後もう一度セパレータでピストンを最後まで戻しておく。

ここでローターの周囲が錆で真茶っ茶なので錆を落として耐熱シルバーで塗装しておいた。 


綺麗になった(嬉)。

ブレーキシムグリースをピストン部とパッド上下部に塗りつける。






パッド側にも塗る。

パッドをキャリパーに装着する。






パッド止め金具をセットする。

この作業を左右両方について行う。これでブレーキのキット取り付けは完了である。

 

【ブレーキオイル充填&エア抜き編】

一人でも簡単に出来る加圧式オイルブリーダーである。


MOTIVEのパワーブリーダー

まずオイルを入れる前に10psiの圧力をかけてブレーキラインの漏れをチェックする。




10分ぐらい放置して、漏れが無ければ(圧力が下がらなければ)OKである。


BMW純正ブレーキオイル

今回はオイルの入れ替えも行うのでとりあえずブリーダー内に2リッター入れておいた。




ピストンで徐々に圧力をかけていき約15psiにセットする。ベントレーのマニュアルでは14.5psiになっている。




一番遠リア右から作業をする。ブリーダープラグを緩めてブリーダーボトルに入れる。作業中ブリーダーの圧力が下がったらピストンで再度加圧する。


リア右


リア左


フロント右


フロント左

順番に250CCづつ抜き取った。このときエアーも一緒に出てくるで一石二鳥である。4箇所で合計1リッターを入れ替えた。

工具類を片付けてブレーキを2〜3回踏んでもう一度漏れを確認し、オイル汚れをきれいにして、タイヤを嵌めて、ウマから車体を下ろし、さて試運転。

ブレーキの効きを確認しつつガレージから出して前の道路で少しづつスピードを出してちゃんと効く事を確認して終了である。

数日後ジャッキアップしてボルトなどの緩みを確認する。後はしばらく慣らし運転のためスピードは控えめに。

 

【完成後画像編】


リア フローティングドリルドローターφ340x28(FRENI−ONE)






ロータスキャリパー(ブレンボ)


フロント フローティングドリルドローターφ340x32(FRENI−ONE)






F40キャリパー(ブレンボ)


リア










フロント






サイドから

 

感想は一言「すばらしい!」だ。今までフロントだけだったせいもあるが、止まる感が味わえなかったが、リアをつけて一変した。うまく説明できないが、地面に吸い付くように止まる。みたいな感じである。パッドを変えた効果もあるだろうが今までとは全く別物である。

ブレーキダストについてはしばらく乗ってみないとないとわからないが大変満足である。

かかった費用は、フロント40諭吉、リア35諭吉である。(爆)

ブレーキを強化したことで制動面は良くなったが、反面足回りのブッシュ類の劣化、ガタつきが目立つようになってしまった。近いうちに何とかしたいと思う。

今回のリアブレーキキット製作でお世話になったのは、

ハイパフォーマンスブレーキチューニングパーツ「FRENI−ONE」 

設定の無い車種でもOKである。担当の人も親切丁寧で色んな注文にも真剣に対応してくれる。純正ブレーキに不満があり強化を考えている方は、一度相談してみてはどうかな。

またキャリパーの塗装に関してはフロント側にあわせるためご尽力いただいたのは、

アートキャリパー製作販売・各種ローター加工 「ブレーキ工房 K.CRAFT

純正キャリパーでも見違えるように綺麗にしてくれます。ブレーキパーツの販売もしています。ブレーキ周りを綺麗にしたい方は一度相談してみてはどうだろう。


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