2008年12月4日 エキマニの遮熱バンテージ巻き


【はじめに】

エアコンのレトロフィットを実施中に、以前から考えていたことを是非ともしたくなって、今回のレポートになった。

熱に対する対策が他にも出来ないかと色々調べてみると、エキマニに遮熱バンテージを巻くとエキマニから放出される熱を遮断することが出来る。なおかつ、エキマニ内の背圧が減り、排気温度が安定してレスポンス(特に低速トルク)が良くなる、と言う一石二鳥のものがあった。

エアコンの配管類を外している関係でエキマニ周りがスッキリしているので、この機会を利用して施工することにした。

 

【エキマニの取り外し】

小僧のE32はアルピナなので、当然アルピナ純正の等長エキマニが付いている。ちなみにエアフィルター類は前もって取り外してある。


とても綺麗なタコ足だ。(笑)

まずエンジン側のボルトを緩める。その前に浸透潤滑剤をナットにかけてしばらく放置。




浸透したのを見計らってナットを緩めていく。意外と簡単に緩んだ。


外してわかったが、ナットは銅製であった。

エキマニ下部、触媒との接続部も浸透潤滑剤をかけてナットを取り外す。




外れたら上からエキマニを引き出す。2分割になっていて意外とすんなり取り出せた。


取りはずしたエキマニ(この曲がり方、ほんとうにタコの足である。笑)

当然ガスケットは交換するので購入済みである。




さて、今回エキマニに巻きつけるバンテージである。オークション品だ。かなりの種類がありどれにするか迷ったが以下のものを選んだ。

出品者による説明

耐熱限界800〜1000℃、熱を反射して遮断する断熱材です。そしてなんと!繊維中に極細のワイヤーを織り込み退化後の形成を保ちます。ワイヤーの有ると無いのでは大違いです。この加工で通常は倍の値段がします。熱入れ後の炭化を極力抑えます。



耐熱セラミック製サーモバンテージテープ(補強ワイヤー入り) 600円/m

 

【バンテージ巻き】

作業のために準備するもの。長袖、長ズボン、手袋、マスクなど。完全防備しないと、後でチクチクして大変なことのになります。

早速エキマニに巻きつけていく。幅の半分くらいが重なるように巻いていく。


集合部分からエンジン側に向かって巻く。

足部分が巻き上がった。(端の部分はテープで仮止めする。)




続けて集合部分を巻いていく。




巻き方に問題が無ければステンレスの針金で縛る。




両端はしっかりと巻いておいた。


エンジン側


触媒側

もう片一方も同じ要領で巻きあげる。両方で約3時間ほどかかった。


完成したエキマニ

 

【エキマニの取り付け】

外した逆の手順で取り付けていく。




ガスケットを入れてナットを仮締め。このときナット部分にバンテージを巻き過ぎて2箇所ほどナットが入らなかったのでもう一度取り出して巻きなおした。




エキマニの位置に問題が無ければ本締めをする。




エンジンをかけて排気漏れをチェックする。問題が無ければバンテージの初回焼入れをする。


エンジンをかけるとすぐに白煙が出だした。




大体15分程度で白煙は収まった。バンテージを確認すると全体に黒くなっていた。


焼入れ後の状態

施工後の試運転ではいつもの吹け上がり方と明らかに違うことがわかった。たしかに、レスポンスが良くなっている。

一応表面温度を測定してみた。会社に非接触式温度計があるのでそれを拝借した。ただバンテージ施工前の温度は測っていない。

エキマニと触媒のジョイント部分で測定した。

「フランジを挟んでエキマニ側(施工部)と触媒側(未施工部)」

バンテージ無し部の表面温度 270℃ バンテージで保温されたガスが流れているので高温になっているかも?
バンテージ施工部の表面温度 250℃  
エキマニのバンテージ表面温度 250〜300℃  

測定してみたものの施工前のエンジンルーム内やエキマニ表面温度を測ってないのであまり意味がない。

温度については多少効果があるだろう、と自分に言い聞かせることにする。断熱に対する効果についてはエキマニの部分温度差が減少してスムーズな吹け上がりが体感できる結果となったのは明らかである。

エアコンの配管の断熱材表面温度は約150℃、エキマニに一番近い場所は200℃になっている。
今回この配管にはサーモアルミカーボンテープ(耐熱1000℃)を採用したので問題ない数値だと思われる。


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