【はじめに】
エンジンのオーバーホール時にラジエターをオールアルミ製に取り換えた。このラジエターを作ったときにATFクーラーは取り外していた。
(これを外していたのは不幸中の幸いで、ウエハー式のものは中間部分に穴が空いてATFが漏れ出していたのだ。)
付けない訳にはいかないので、オリジナルから外したクーラー(銅製の筒状のクーラー)を配管にセットしてエンジンルーム内に放置していた。
かなり以前からこのATFクーラーの取り付け位置が疑問だった。E34の後期などでは空冷式のクーラーに変わっているからだ。
製造国のドイツでは気温が低いので一定の温度をキープする為にラジエター内に収めたものと推測できる。
しかし、日本国は非常に寒暖の差が激しく、特に夏には40度近くになる。その状態でラジエターの中にあれば温度を一定に保つのは難しい。
ただ、今までそれで乗ってきて問題は無かった。ラジエターの温度は約90度なので、プラスαの温度でキープしていたものと思われる。
それを取り出していたので、油温が上昇してしまった。
平日の通勤では、4km10分ほどの運転ではまず問題なかった。休みの日にちょっと遠出すると途中から異常が発生していた。
症状としては、1速−2速の変速時のショックと2速−3速−4速の変速遅れが出ていた。冷間時には問題は無くスムーズに動いている。
このときの温度を測ってみると、クーラーの表面で120度、内側においては130度を超えていた。
【空冷ATFクーラーの取り付け】
さすがにそのままでは、AT不具合が発生する可能性は高い。そこで、急遽E34の空冷のクーラーを付けることにした。
長島オフの3日前のことである。これがうまくいかなければオフに行けなくなる可能性が出てくるから、焦ってしまった。(~o~;
取り付けるに当たって、油温を測定する必要があった。
そこで継ぎ手と油温センサー取り付けブロックの製作をした。
オークションで入手したE34用ATFクーラー。
サーモスタット付きなのでオーバークールの心配は無い。
その他、接続用の部品も入手しておいた。
エンジンルーム内に収めてあるクーラーを下に引っ張り出して外す。
ホースの付根部分でカットする。
クーラー側はこの切り端を使う予定だったが、サイズが合わず。
つばめさんから手持ちを譲って頂いた。(~o~;
キドニーグリルを外して取り付けの準備をする。
グリルからホースを入れて左のライト裏へ回す。
そこから一旦下側に出して、新しいホース側に継ぎ手とブロックを取り付ける。
ATのホースからはATFが出てくるので素早く差し込む。
イン側も素早くセットする。
ホースバンドを締めたらエンジンルーム上に引き上げる。
オイルクーラーの配管にタイラップで固定する。
油温センサーのコネクターを差し込む。
フロント側へホース長さを調整しながら送り込む。
つばめさんからもらったホースの加工。
先端の金属部分でカットして、締め付けジョイントをセットする。
ホースを適当な長さに切って先ほどの継ぎ手を取り付ける。
下のカバーを外してクーラーを入れる。
位置を決めたらタイラップで仮止めをする。
継ぎ手をクーラーにセットする。
この継ぎ手はO−リングなのでセットし易い。
以前に明けたバンパーインテークから作業できた。
しっかりとバンドで固定する。
キドニー部分に8割。
応急処置にしては良い形に出来た。
バンパー内部に2割の割合になった。
キドニーグリルを取り付け。
黒いのであまり目立たない。
とりあえず、メーター内の温度計を使って測定する。
この温度計は、クーラーに入る前(冷える前)の温度を測っている。
街中を40分ほど走ってみたが、約90度まで上昇。
とりあえずこれで問題は無さそうである。オフまでに出来てよかった。(^o^)b
オフに行く為に高速を走ってみたが、一旦約90度まで上昇しサーモスタットが作動。
その後、約60度で安定している。
(画像は100km/hで巡航中の温度。)
一度サーモスタットが作動するとかなりの時間冷却し続ける様である。
温度的には問題は無くなった。でも、80度を越えたあたりから1−2速のショックと2−3−4速の切り替え遅れは変わらず発生している。
施工前の温度上昇によりATFが劣化しているかもしれないので、入れ替えをする必要があるかもしれない。(−−;