2011年10月23日 交換式ピロボールケース


【はじめに】

以前にフロントアーム類のブッシュをピロ化している。そのピロボールに寿命が近づいてきている。

本来は手では動かないほどの固さをしているが、劣化してくると手で軽く動くようになる。この症状が寿命の判断基準になっている。

使っているピロは、パワーステーション製の圧入タイプなので、そう何回も交換することはできない。

また、ピロよりもボールジョイント側の劣化が早いので、アーム自体の交換も出てくる、なので抜き差しの回数にも限度がある。

お仲間のDOPさんは、ドリフトをやっておられるのでもっと頻繁に交換されている。DOPさんのHPを拝見すると独自で交換可能なようにされている。

で、ご相談させて頂いた中で、製作したときの図面を頂けることになった。



【交換式ピロボールケース】

 
DOPさんのホームページより拝借。

このピロボールケースは2分割になっていて、プレスが無くてもネジを外すだけでピロボールの交換が出来るようになっている。

頂いた図面を元にCADで作図して製作することにした。


材料を購入。


ジュラルミンでとも思ったが、プロトタイプなのでステンレスで製作することにした。


最初にドリルで穴を明ける。


アームに入る部分とピロの入る部分を同時加工する。


1個分を切断する。


この行程を8回繰り返す。


残りの外側の部分を加工する。


旋盤加工が終わった。


固定用の穴とタップの加工をする。


数があるので、穴あけ冶具を作って使用する。


こちらも同じく、冶具で穴あけ。


片側にはタップを加工する。


スラスト用はM4加工。


コントロール用はM3のタップ加工。


M3は細くて折れやすいので慎重に作業する。


注:ステンレスのタップ加工は、必ず新品のタップを使用すること。


ピロケースの完成。


スラスト側の方が薄い。


2個一対で使用する。


このケースの場合挟み込むアームの幅を一定にする必要がある。


アームの片側は加工してあるが、鍛造品の為幅はまちまちだ。


アームを加工して幅を揃える。
 スラストアーム:28mm
 コントロールアーム:36mm


旋盤で削ろうと思ったが、長くて回せなかった。


なので、フライス盤で画像のように加工した。


新品のNMB製ピロボール。


ケースにピロボールをセットする。


中にピロボールを入れてアームと一緒に挟み込む。


ボルトを均等に締め付ければ完成。

これでいつでも交換が出来るようになった。 ボールジョイント側も交換できると良いんだけどな〜。


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