【はじめに】
以前にフロントアーム類のブッシュをピロ化している。そのピロボールに寿命が近づいてきている。
本来は手では動かないほどの固さをしているが、劣化してくると手で軽く動くようになる。この症状が寿命の判断基準になっている。
使っているピロは、パワーステーション製の圧入タイプなので、そう何回も交換することはできない。
また、ピロよりもボールジョイント側の劣化が早いので、アーム自体の交換も出てくる、なので抜き差しの回数にも限度がある。
お仲間のDOPさんは、ドリフトをやっておられるのでもっと頻繁に交換されている。DOPさんのHPを拝見すると独自で交換可能なようにされている。
で、ご相談させて頂いた中で、製作したときの図面を頂けることになった。
【交換式ピロボールケース】
DOPさんのホームページより拝借。
このピロボールケースは2分割になっていて、プレスが無くてもネジを外すだけでピロボールの交換が出来るようになっている。
頂いた図面を元にCADで作図して製作することにした。
材料を購入。
ジュラルミンでとも思ったが、プロトタイプなのでステンレスで製作することにした。
最初にドリルで穴を明ける。
アームに入る部分とピロの入る部分を同時加工する。
1個分を切断する。
この行程を8回繰り返す。
残りの外側の部分を加工する。
旋盤加工が終わった。
固定用の穴とタップの加工をする。
数があるので、穴あけ冶具を作って使用する。
こちらも同じく、冶具で穴あけ。
片側にはタップを加工する。
スラスト用はM4加工。
コントロール用はM3のタップ加工。
M3は細くて折れやすいので慎重に作業する。
注:ステンレスのタップ加工は、必ず新品のタップを使用すること。
ピロケースの完成。
スラスト側の方が薄い。
2個一対で使用する。
このケースの場合挟み込むアームの幅を一定にする必要がある。
アームの片側は加工してあるが、鍛造品の為幅はまちまちだ。
アームを加工して幅を揃える。
スラストアーム:28mm
コントロールアーム:36mm
旋盤で削ろうと思ったが、長くて回せなかった。
なので、フライス盤で画像のように加工した。
新品のNMB製ピロボール。
ケースにピロボールをセットする。
中にピロボールを入れてアームと一緒に挟み込む。
ボルトを均等に締め付ければ完成。
これでいつでも交換が出来るようになった。 ボールジョイント側も交換できると良いんだけどな〜。