【はじめに】
プロペラシャフトも譲って頂いたのだが、4月にMゴローさんのメンテをしたときに譲ってしまった。
もともと、プロペラシャフトは加工しないと使えないのと、ユニバーサルジョイントも換えたかったので交換したのだ。
その後、5月に代わりにもらったプロペラシャフトを調査した。
その結果、補修可能なことが分かったので、部品を調達した。ユニバーサルの補修とMT化のための加工もすることにした。
【プロペラシャフトの加工】2011年9月に作業。
Mゴロー号に付いていた、M5用プロペラシャフトフロント側。
ユニバーサルジョイント部の加工とMT化のための延長加工をする。
これだけの長さがあると加工出来ない。
それと延長加工もあるのでここで、カットすることにした。
旋盤で、元の溶接部分で切り取る。
まず、表面を綺麗に削る。
溶接線に沿ってV溝を入れていく。
革一枚残して、叩くとパカッと割れる。
パイプ側はかなり薄く厚さは1.5mm。
こんな薄さでもつんだから驚きである。
シャフト延長の為のスリーブを製作する。
それぞれがしっかりと嵌るように加工する。
ここで、溶接してしまうとジョイント部の加工が出来ないので、溶接前に加工をする。
形状からそのままでは加工できないので、冶具を製作。
冶具にセットして加工する。
ジョイントが入る位置に溝を入れる。
この溝に止め輪を入れて、ジョイントを固定するのだ。
もちろん、位置はしっかりと計測して調整する。
止め輪を入れてみる。
加工が済んだのでシャフトの加工に戻る。
出来るだけしっかりと延長する為、スリーブは焼き嵌め勘合とした。
(スリーブ自体を大きく作って、パイプを加熱して大きくして嵌める方法。)
パイプを暖めて大きくしてスリーブに入るようにする。
十分に大きくなったら一気にスリーブに嵌める。
同じ要領でジョイント側も嵌める。
完全に冷えるのを待つと、引張ろうが叩こうがびくともしない。
旋盤にセットして溶接の為の溝を作る。
パイプの厚み分の溝をしっかりと入れる。
ダイヤルゲージでシャフトの振れを見ておく。
溶接でも歪むが、最初から歪んでいたら話にならない。
TIG溶接はよく歪むのだが、あえてTIG溶接でいく。
念のため数箇所に仮止めをする。
出来るだけ入熱を一定にしながら溶接する。
溶接横の焼けの幅が同じならOKだ。
急激に冷えないように養生して、冷えるのを待つ。
再び旋盤にセットして振れを見る。
数箇所で測定してみて振れが0.1mm以内であれば上等。
悪ければ灸で修正をする。
一部振れがあったので修正した。
延長加工が出来たのでユニバーサルジョイントを取り付ける。
ユニバーサルジョイント。
E32や34では単品部品は出ないが、E28用は取替え出来るので部品がある。
サイズは同じなので転用可能だ。
ジョイントにはグリースが少ないのでモリブデン系を補充する。
ジョイントをシャフトにセットする。
カップ内のニードルがバラバラにならないように注意してセットする。
ベンチバイスを使ってカップを挿入する。
面まで入ったらソケットなどを使ってさらに中まで挿入する。
溝より奥に入ったら、止め輪をセットする。
反対側も同じ要領でセットする。
止め輪で固定する。
ベンチバイスの上において、ハンマーで一打。
ジョイントを正規の位置に戻してやる。
4方向について行う。
これで、ユニバーサルジョイントの取り付けが出来た。
元通りになった。
最後に旋盤で振れを確認する。
旋盤の最大回転数で回してみる。
特に大きな振動もなく良好だ。(^o^)b
これで加工は全て終了。
もちろんセンタースリーブは取り替える。
古いセンタースリーブをベアリング抜きで抜き取る。
MT化のときに新品をセットしよう。
プロペラシャフトのリア側のCVジョイントも綺麗にしてグリースを入替える。
プロペラシャフトは、化粧直しの塗装をして出番を待つ。
そうそう、こちらも忘れないように。
プロペラシャフトはバランスの問題もあるのでMT化の前にバランス取りに出したい。もしくは他の方法も考えている。
さ〜次はいよいよ、ミッションのオーバーホールだ。
その5へ続く。