2012年4月15日 MT化 その4(プロペラシャフト加工編)


【はじめに】

プロペラシャフトも譲って頂いたのだが、4月にMゴローさんのメンテをしたときに譲ってしまった。

もともと、プロペラシャフトは加工しないと使えないのと、ユニバーサルジョイントも換えたかったので交換したのだ。

その後、5月に代わりにもらったプロペラシャフトを調査した。

その結果、補修可能なことが分かったので、部品を調達した。ユニバーサルの補修とMT化のための加工もすることにした。



【プロペラシャフトの加工】2011年9月に作業。


Mゴロー号に付いていた、M5用プロペラシャフトフロント側。


ユニバーサルジョイント部の加工とMT化のための延長加工をする。


これだけの長さがあると加工出来ない。


それと延長加工もあるのでここで、カットすることにした。


旋盤で、元の溶接部分で切り取る。


まず、表面を綺麗に削る。


溶接線に沿ってV溝を入れていく。


革一枚残して、叩くとパカッと割れる。


パイプ側はかなり薄く厚さは1.5mm。


こんな薄さでもつんだから驚きである。


シャフト延長の為のスリーブを製作する。


それぞれがしっかりと嵌るように加工する。

ここで、溶接してしまうとジョイント部の加工が出来ないので、溶接前に加工をする。


形状からそのままでは加工できないので、冶具を製作。


冶具にセットして加工する。


ジョイントが入る位置に溝を入れる。


この溝に止め輪を入れて、ジョイントを固定するのだ。


もちろん、位置はしっかりと計測して調整する。


止め輪を入れてみる。


加工が済んだのでシャフトの加工に戻る。


出来るだけしっかりと延長する為、スリーブは焼き嵌め勘合とした。

(スリーブ自体を大きく作って、パイプを加熱して大きくして嵌める方法。)


パイプを暖めて大きくしてスリーブに入るようにする。


十分に大きくなったら一気にスリーブに嵌める。


同じ要領でジョイント側も嵌める。


完全に冷えるのを待つと、引張ろうが叩こうがびくともしない。


旋盤にセットして溶接の為の溝を作る。


パイプの厚み分の溝をしっかりと入れる。


ダイヤルゲージでシャフトの振れを見ておく。


溶接でも歪むが、最初から歪んでいたら話にならない。


TIG溶接はよく歪むのだが、あえてTIG溶接でいく。


念のため数箇所に仮止めをする。


出来るだけ入熱を一定にしながら溶接する。


溶接横の焼けの幅が同じならOKだ。


急激に冷えないように養生して、冷えるのを待つ。


再び旋盤にセットして振れを見る。


数箇所で測定してみて振れが0.1mm以内であれば上等。


悪ければ灸で修正をする。


一部振れがあったので修正した。


延長加工が出来たのでユニバーサルジョイントを取り付ける。


ユニバーサルジョイント。

E32や34では単品部品は出ないが、E28用は取替え出来るので部品がある。


サイズは同じなので転用可能だ。


ジョイントにはグリースが少ないのでモリブデン系を補充する。


ジョイントをシャフトにセットする。


カップ内のニードルがバラバラにならないように注意してセットする。


ベンチバイスを使ってカップを挿入する。


面まで入ったらソケットなどを使ってさらに中まで挿入する。


溝より奥に入ったら、止め輪をセットする。


反対側も同じ要領でセットする。


止め輪で固定する。


ベンチバイスの上において、ハンマーで一打。


ジョイントを正規の位置に戻してやる。

4方向について行う。


これで、ユニバーサルジョイントの取り付けが出来た。


元通りになった。


最後に旋盤で振れを確認する。


旋盤の最大回転数で回してみる。


特に大きな振動もなく良好だ。(^o^)b


これで加工は全て終了。


もちろんセンタースリーブは取り替える。


古いセンタースリーブをベアリング抜きで抜き取る。


MT化のときに新品をセットしよう。


プロペラシャフトのリア側のCVジョイントも綺麗にしてグリースを入替える。


プロペラシャフトは、化粧直しの塗装をして出番を待つ。


そうそう、こちらも忘れないように。

プロペラシャフトはバランスの問題もあるのでMT化の前にバランス取りに出したい。もしくは他の方法も考えている。

さ〜次はいよいよ、ミッションのオーバーホールだ。

その5へ続く。


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