2013年8月18日 ファイナル決定


【はじめに】

今まで色んなファイナルを試して、マニュアルミッションに合うギヤ比を模索していた。

理想は、街中ではキビキビした走りで高速では低燃費での走行が可能。 と相反する組み合わせを求めている。

最終的なファイナルの決定において、ゲトラグ280では限度があり理想とする組み合わせは無理なことが分かった。( ̄▽ ̄;

そこで、ミッションの交換も視野に入れて現在最適と思えるファイナルでデフを組み上げることにした。



【デフの準備】


B11に元々付いていたAT仕様のデフ。


3.73と普通の735とは違ったファイナルになっている。


先頭のSはLSD付を示している。


このケースを使って新しいデフを組み立てる。


その前に純正のLSDのイニシャルトルクを測ってみる。


950kgcm≒93.1Nm。


規定値は110〜130Nmなので少し落ちている。


分解してみたが特に異常は無いようだ。


ギヤ以外のパーツはそのまま転用する。


使用するギヤの取り出し。


3.45のデフを分解する。


こちらもLSD付だが、イニシャルは70Nmほどだった。


これが使用するギヤ。


リングギヤ38T、ピニオンギヤ11T。


計算すると3.454545・・・・・・


これで部品の準備OK。

【OS技研 LSD】


某オークションでポチッたLSD。( ̄▽ ̄;


Z4M用だが同じラージデフなので付くだろうと見切り落札。(爆)


手元に届いたので確認をしてみる。


OS技研製LSD


こっ、これはTCDでは?

スーパーロックLSDをさらに進化させたやつじゃん。( ̄▽ ̄;


なんと定価247800円也。


これを格安で入手できた。


本当に合っているか純正デフと比較してみる。


フランジサイズ。


横方向サイズ。


全てにおいて同じ寸法で全く問題なし。


イニシャルトルクを測定してみる。


70Nm? ( ̄ェ ̄;


低くねぇ?


分解してみる。


中身を見たいのと、状態の確認のため。( ̄▽ ̄;


ケースを開ける。


内部部品をそのまま取り出す。


あれ? 一箇所プレートの組み方がおかしい。


イニシャルの調節でこの様な組み合わせになっているようだ。


出品者の説明どおり余り使ってないようで綺麗だ。


ディスクプレートに穴と溝があるのが特徴である。


片側のディスクの組み合わせ。


2箇所が効かないように飛ばしてある。


これを全て効く様に組み換える。


メーカー指定のギヤオイルを使う。


組立に際して、オイルをたっぷりと掛けながら組み立てる。


ディスク面にもたっぷりと。


一枚一枚十番に入れていく。


プレッシャーリングセット。


これには方向があるので注意して組み込む。


デフロックを生み出す部分の角度のキツイ方が前進方向になるようにする。


全て入れて最後のバネ座金。


フタにもタップリとオイル塗布。


相マークを合わせる。


取り付けボルトにネジロックを塗布する。


ネジ穴も綺麗に脱脂して素早く締め付ける。


このネジはフタの固定用なので適度に締め付けておく。


イニシャルを測定してみる。


1040kgcm=102Nmになった。


ちょっと低いが良しとしよう。

【デフの組立】


リングギヤをLSDに組み付ける。


リングギヤを80度くらいに温める。


71度、こんなもんでOK。


素早くLSDに挿入。


冷めるまでしばらく放置。


ギヤが冷めたらボルトの締め付け。


ただ、Z4MはネジサイズがM14で、ギヤはM12。


そのままだとガタガタなのでカラーを使う。


これで、M12でも問題なく使用できる。


ボルトにネジロックを塗布する。


まずはトルクレンチデ100Nmで締め付ける。


その後角度締め。


50度の締め付け。


BMWのテクニカルデータによる。


組立の為の新しい部品。


ベアリングとシール関係。


LSDにベアリングの圧入。


スピードセンサー羽根の取り付け。


使用するケースを綺麗に掃除した。


サイドベアリング外輪の圧入。


オイルシールの圧入。


オイルシールの取り付け。


付ける前にオイルを塗っておく。


LSDの組み込み。


まずは、もともと付いていたシムを付けて組み立てる。


ギヤ側1.70mm、反対側1.55mm。


22Nmで締め付け。


フリクショントルクの測定。


これは回転トルクで、各ベアリングによって決まっている。


規定値どおりの値となった。



注、画像に取る為止めていますが、実際には50rpm程で回しながら測定する。


今回使うのはKoyo製なので、1.24Nm。


これにオイルシールの抵抗分0.2Nmを加えた1.44Nmとなる。


LSDの方は出来たのでピニオンギヤの組立に掛る。


ピニオンギヤにベアリングの圧入。


デフケースに外側のベアリング外輪の圧入。


内側のベアリング外輪と調整シムの圧入。


こちらも元々入っていたシムで組み込み。

3.78mm。


ピニオンギヤの組み付け。


まだ、仮なのでクランプカラーは入れない。


ベアリングにオイルを注入する。


インプットフランジを付けてナットで固定する。


ナットを締め付けてフリクショントルクを規定値に調整する。


規定値では2.42Nmだが、まだ仮なので大体でよい。


ピニオン高さ測定冶具をセットする。


平らな上でゼロ点の調整。


デフにセットして測定する。


測定計算用紙を使って計算する。


するとこれもバッチリ規定値。( ̄▽ ̄;

シムの変更は不要。


これで、ピニオンの位置が決まったので正式に組み上げる。


クランプカラーを入れて組み立てる。


オイルシールを付けるところになって、間違っているのに気付いた。( ̄ェ ̄;


発注時のサイズ間違いだ。


これで、また延期か?


その時、救いの神が・・・・(#^。^#)

シルキー6のこだわり親父さんが在庫をお持ちとのことで譲って頂いた。


明くる日に届いたシール。


気を取り直してもう一度やり直し。(笑)


クランプカラー。


ベアリング。


オイルシール。


インプットフランジ。


今度はクランプカラーがあるので強い締め付けが必要だ。


締め過ぎは厳禁。


規定値になるまですこしずづ締め付ける。


規定値2.42Nm+0.2Nm(シール分)=2.62Nm。


ナットにロックプレートを取り付ける。


デフを起こしてLSDの組付けに入る。


事前に測定しておいた調整用シム類。


事前にフリクショントルクは調整済み。


後はバックラッシュの確認のみ。


同じシムでバックラッシュの測定。


バックラッシュ0。( ̄▽ ̄;


規定値では0.06〜0.14mmとなっている。


バックラッシュを広げるにはリングギヤを外側へ動かせば良い。


ギヤ側を1.80mmに、反対を1.45mmに変えてみる


まだ規定のバックラッシュは出ない。(笑)


調整シムは0.5mm間隔しかないので、中間をシムを作って試してみる。



使うのはこれ、アルミホイル。(爆)


これでもしっかりと11μmと20μm。( ̄▽ ̄;


20μm=0.02mm。


11μm=0.011mm。


シムと同じ形に切ってそれぞれ組み合わせて測定してみる。


最終的には中間シムではなく買ったシムでよかった。( ̄▽ ̄;


データによると、シムを0.01mm調整するとバックラッシュは0.0076mm動く。


調整の結果0.01mmでバックラッシュが0.01mm動いた。



最終的にはギヤ側1.75mm、反対側1.50mmとなった。


サイドベアリングの締付で2本だけ液体ガスケットが必要なところがある。


後ろ側2本のネジ穴が貫通しているのでシールが必要なのだ。


アウトプットフランジを挿入する。


挿入前にシールにオイルを塗っておく。


歯当たりの確認。


歯に光明丹をつけて調べる。


裏表とも綺麗に当たっていて問題なし。


オイルの注入。


注入量1.9リットル。


フランジ面を綺麗に脱脂して液体パッキン塗布。


ガスケット貼り付け、ガスケットにも液体パッキン塗布。


ケースカバーを付けてボルトを45Nmで締め付ける。


新しいO−リングで、スピードセンサーを取り付ける。


カバー部分をマスキングして本体を塗装する。


フロントブラケットと取り付け。


リア側ブラケットの取り付け。


これで、デフの完成。


プレートもちゃんと付けてある。


デフの交換。


現在のファイナル3.64のデフを降ろす。


新しいファイナル3.45デフの組み付け。


アウトプットフランジのボルトを新品に取り替える。


デフの交換をすること10回ほど。( ̄▽ ̄;


流石に六角が傷んでいる。


新しいボルトでドライブシャフトの取り付け。


110Nmで締め付け。


デフの交換完了。


もうこれで終わりにしたい。(爆)

一応ファイナルは決定したが、走りに満足できた訳ではない。 ゲトラグの260を試して初めて完結できる。

しばらくはこれで、預かっている260をリビルドしてテスト装着後改めて試走してみたい。(笑)


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