【はじめに】
E32には、ハイドロ式とバキューム式の2種類のブレーキブースターがある。
ハイドロ式はH31システムとも言う。パワステポンプから出るフルードをパワステと兼用で使用し油圧によってブレーキを補助すると言うものである。
ハイドロブースターや高圧ホース、アキュムレーターなどのパーツは高く、漏れの原因にもなる厄介な代物だ。( ̄▽ ̄;
ハイドロ式とバキューム式は好みが分かれるところだが、故障となる原因要素が多いのは頂けない。
私のB11も最近このハイドロ系統が不調気味なのだ。まだこれと言った症状ではないがそろそろ交換時期なのか?と思える。
パーツ自体も高いし、直してもまた同じことの繰り返しになるだけならいっそバキューム式に交換してしまおうと思いたった。
【ブレーキブースターをバキューム式に換装】
国内ではなかなかないので、ebayで調達。
E34 M5用のタンデム式ブースターだ。
ブレーキマスターシリンダーもセットになっている。
なぜタンデム式を選んだかと言うと、ブースターの直径が小さいから。
エンジンルームのパーツは小さい方が何かと便利なのだ。(謎爆)
マスターシリンダーも分解して綺麗に掃除。
全体的には綺麗だったが、所々錆が有ったので綺麗に掃除。
ペーパーで擦って下地作り。
艶有りブラックで塗装。
必要なパーツは事前に調達済み。
とは言っても、プラパーツとシール関係だ。
フルード関係なのでこぼれても良いようにリフトアップしておく。
また、ブレーキのエア抜きの関係でもこの方が作業性がよい。
ハイドロ系統とブレーキ系統を分解する前に事前準備。
ブレーキはマスターシリンダーを外す関係でエア噛みは必然。
そこで、楽ちんになる方法を。
ブレーキパッドを取り外す。
4輪とも外す。
パッドの代わりに木を挟んでローターに傷が入るのを防ぐ。
この時、木はパッドより薄いものを使用する。
4輪とも木を挟んだらブレーキを一杯踏み込む。
するとリザーバータンクのフルードがキャリパーのシリンダーに蓄えられる。
そう、完成後にキャリパーのピストンを戻せばエアを一切噛まずに済むのだ。
たぶん・・・・・・( ̄▽ ̄;
残ったフルードをバキュームオイルブリーダーで吸い取る。
綺麗に抜いておけばこぼれるのを防ぐ事が出来る。
リザーバータンクの取り外し。
パワステホースを外すので、パワステフルードも吸い取る。
出来るだけ綺麗に吸い取っておく。
ブースター側リターンホースの取り外し。
リザーバータンク側も外す。
ブースター側高圧ホースを外す。
レギュレーター側圧力スイッチの配線を外す。
ブースター行高圧ホースの取り外し。
パワステギヤボックス行高圧ホースの取り外し。
ギヤボックス側取り外し。
パワステポンプよりの高圧ホース取り外し。
ポンプ側取り外し。
レギュレーター及びアキュムレーターの取り出し。
これで、ハイドロブースター系統の取り外し完了。
パワステ用の新しい高圧ホースの取り付け。
ポンプ側。
レギュレーターが無くなったので、ポンプとギヤボックスを直接つなぐ。
ギヤボックス側。
リザーバータンクへの戻りラインは使わないので、ホースで塞いでおく。
マスターシリンダーのブレーキラインを外す。
マスターシリンダーの取り外し。
引き続き、ブースターを外す。
室内側からの作業。
ブレーキペダルの付け根の奥のナットを4本緩める。
ペダルとのリンクを外す。
ブースターの取り出し。
ブースターに漏れを発見。
シールが寿命のようだ。
まだ滲んでいる程度だが、そろそろヤバかったかも。( ̄▽ ̄;
ブースターとマスターシリンダーが無くなってスッキリした。
ABSの配管があらわになっている。
次の作業で邪魔になるバッテリー+端子を外しておく。
さて、これは問題だ。
バキューム式のブースターは、直径240mmほどある。
どう考えてもABSの配管が邪魔になる。( ̄ェ ̄;
仕方がないので配管を少しずつ曲げてみる。
これぐらい避ければ大丈夫かな?( ̄▽ ̄;
元と比べれば一目瞭然。
仮に置いてみる。
まだ、横が当たっている様だ。( ̄ェ ̄;
横の配管を大きく動かして固定。
これで全てに隙間が出来た。
ブースターの固定。
新しいマスターシリンダーの組立。
マスターシリンダーの取り付け。
ブレーキラインを曲げ直して接続。
外したバッテリー+端子を元に戻す。
その他の配線も綺麗に仕舞する。
リザーバータンクの取り付け。
もちろんこの時点ではフルードは空っぽ。
ブレーキキャリパーを元に戻す。
挟んでいた板を外す。
ピストン戻しツールで、ピストンを広げていく。
そのままだとまた出てくるのでパッドを元通りに組み込む。
思い通りフルードが戻ってきた。(^ム^)
フロント側も同様に作業する。
ピストン戻し。
目一杯広げておいた。
4輪すべて終わるとここまでフルードが戻ってきた。
同時に空気もきれいに抜けた様子。(^o^)v
パッドを戻してブレーキが利くまでペダルを踏む。
足りない分のフルードを追加しておく。
蓋をしてブレーキの完成。
リフト上で作動確認したが、エア噛みもなくバッチリのようだ。
従ってキャリパー側でのエア抜きは不要。
パワステフルードも充填する。
の前にタンク内を綺麗に掃除しておく。
フルードを入れる。
アキュムレーターが無いので一度全体に行き渡ったら減らない。
エンジンを掛け、ハンドルを数回左右に一杯回してエアを抜く。
本来のタンクとは違うので量が分からない。( ̄▽ ̄;
ま〜入ってればいいからこんなもんだろう。(爆)
本来のタンクに換えても良いのだが、プラスチック製だしな〜( ̄ェ ̄;
さて、まだ一仕事残っている。( ̄▽ ̄;
吸入フィルターの取り外し。
エアフロの取り外し。
スロットルも取り外す。
これで準備は出来た。
そう、バキュームの取り出し口の加工。
ハイドロ仕様には取り出し口は存在しない。
なのでインマニ自体を交換するか、加工するか二つに一つだ。
位置を決めて、掃除機で切り粉を吸いながらドリルで穴を明ける。
タップで3/8のテーパネジを切る。
切り粉が残ってないか確認する。
取り回しと掃除が楽な位置にした。
ノズルの取り付け。
逆止弁を間に入れてホースでブースターと接続。
取り回しは最短ルートで。(^ム^)
スロットル関係を元に戻す。
タワーバーを付け、フューエルラインを整理して完成だ。
あとは不要になった、レギュレーターのブラケットをなんとかしたいところだ。
オイルキャッチタンクのブラケットに転用しようかな。( ̄▽ ̄;
事前準備もあって何とか二日間で仕上げることが出来た。
やはりブレーキタッチはバキューム式の方がシックリくる。 オイル漏れの心配も無くなって一石二鳥だ。(^o^)b