【はじめに】
ディストリビューター(以下、デスビ)による点火時期の調整は、主に旧車では真空式や遠心式などの進角方法がある。
BMWの場合、デスビは固定されていて点火時期の進角はDMEによるマップで行われている。
だとしても機械的に調整が出来るに越したことはない。 そこで今のデスビを調整可能に出来ないか検討してみることにした。
偶然予備のエンジンが有ってばらさずにパーツを使って検討できるのだ。( ̄▽ ̄;
【デスビの点火時期調整】
これが現在のデスビ。
3本のボルトで固定してあり調整は出来ない。
スペースもさほど広くない。
あっ、これは自分のだけね。( ̄▽ ̄;
単品パーツで確認する。
内部の接点の関係で位置は動かせない。
加工に必要な項目。
1.エンジン側の加工はしない。(必要でもさずバラさずに出来る範囲とする。)
2.デスビ側の加工は出来るので問題なし。
3.少なくとも30度の調整範囲は欲しい。
4.現状の取り付け位の精度で調整出来ること。
色々考えて方法が決まったので、作業に取り掛かる。
調整のためのリングの製作。
ステンレスをレーザーにて切り出し。
タップの加工と皿ビスの座グリ加工。
デスビ加工治具の製作。
デスビをセットする。
電極部分を逃がす必要がある。
旋盤にセットする。
加工中。
材質はベークライトなのでサクサク削れる。
ただし、脆いので慎重に削っていく。
加工完了。
空気抜き?の溝が途切れるので追加工する。
丸ヤスリで同じサイズに加工。
調整リングの取り付け。
3点での固定とした。
下側は表から。
上側は電極が有るので裏側からの固定。
この時点では調整範囲は20度になっている。
デスビを削ってリングに置き換えた形で、位置関係は変わっていない。
一つ忘れていたことが有った。( ̄ェ ̄;
冷却水のリターンホースが邪魔だった。(笑)
調整リングの加工。
当たる部分をカットした。
これでホースに干渉しなくなるリングが当たって調整範囲が少なくなってしまった。
そこで新たに固定位置を変更し、調整範囲30度にしたもので作り直した。
パーツでのフィッティングはOK。
エンジンへの取り付け。
プラグコードの取り外し。
デスビキャップの取り外し。
エンジン側干渉部の加工。
ボルトの逃げなのでちょっとだけで良い。
エンジン側リングの取り付け。
デスビキャップの取り付け。
ネジで仮止め。
冷却水配管部の確認。
右回り一杯。
問題なし。
左回り一杯。
こちらも余裕。
デスビのノーマル位置。
ノーマル位置より左に15度。
ネジ穴を開けなおせばさらに10度回すことが可能。
ノーマル位置より右に15度。
BMWはかなりの遅角になっているらしい。
なので、遅角にはしないからこんなに要らないけど。( ̄▽ ̄;
とりあえずノーマル位置(罫書き線)にて固定。
固定ねじの締め付け。
プラグコードの取り付け。
コードが着いた状態で左右に振ってみたが問題は無かった。
純正っぽく加工出来たと思う。
タイミングライトで確認しながら色々と調整してみよう。
果たしてこれに意味が有るのか無いのか? ( ̄▽ ̄;
結論としては全く意味の無いものだった。( ̄▽ ̄;
取り付けてエンジンを掛け、前後に一杯振ってみたが何も変化が無かったのだ。エンジンがノッキングも何も起こらず正常なままだった。
この方法だとデスビキャップだけしか動かない。中のローターも一緒に動かなければ意味が無いのだった。(笑)
旧車を思い浮かべてほしい。デスビが一体で先端にギヤが有って回転させている。そして調節はデスビ全体を動かして行っている。
つまり、ローターも一緒に動いているのだ。
と言うことは・・・・・・・このエンジンでは不可能と言うことになる。(爆)
仕方がないので新品を買い直した。( ̄▽ ̄;
新品に取り替え。
これで全て元通り。( ̄ェ ̄;
嫌な予感はしていたが、全く意味の無いものだった。( ̄▽ ̄;
ローターの調節も出来なくはないが、ローターとキャップを別々に調節するのは至難の業。(笑)
するとすればクランク角センサーの方を弄って・・・・・(爆)