2011年4月4日 エンジンオーバーホール その4(組立編1)


【はじめに】

昨日でようやく各パーツの洗浄整備がおわった。 今日からエンジンの組立に取り掛かる。

分解のときとは違って、しっかりと順序良く、各部に気を配りながら慎重に作業をする。

焦らずに分からないことがあれば整備書などを参考にする。 もちろん、トルク管理も重要なポイントである。



【シリンダーヘッドの組立】

エンジンの組立に当たって、各セクションごとに組立をしていく。 まずはヘッドの組立だ。


最初にやるのは、バルブの擦り合わせだ。


バルブにタコ棒をセットする。


細目のコンパウンドで当たり面が整うまで擦り合わせる。


今回の当たり面はさほど悪くないので細目を使用する。


コンパウンドを当たり面に大体等間隔で付ける。


ステムガイドに挿入する。


この前にバルブステムにはオイルを塗っておく。


擦り合わせをする。


回しながら叩く、叩きながら回す、の繰り返し。

一人では撮れません。


綺麗に当たり面が出た。


最初は斑点状の擦り残りがありましたが2回繰り返すと無くなって綺麗につながった。


インテーク側が終わったころ、つばめさん登場。


早速、撮って頂きました。


トントンクルクル、トントンクルクル。


リズム良く。


片手でする方もいらっしゃるようです。


トントンの瞬間。


ある程度擦るとコンパウンドが潰れて擦る感覚が無くなる。


それ以上やっても無駄なので、引き上げて状態を確認する。


インテークに比べてカーボンの噛み込みが多いので斑点が消えない。


数回繰り返すとそこそこ綺麗になった。


エキゾースト側も終了。


これで、バルブの擦り合わせは終了。


本来なら、光明丹で当たり面を見たり、灯油を溜めて漏れを見たりします。

でも、今回はチューニングではないので其処まではしません。


さて、ここから組立に入る。


今回の組立には、ワコーズの組付けペーストを用意した。


ステムシール部に少量塗る。


ステムシールインストーラーにセットして奥まで押し込む。


奥まで入っているか確認する。


ステムシールの取り付け終了。


バルブステムに薄くペーストを塗る。


バルブをヘッドに挿入する。


スプリングロアシートをセットする。


スプリングをセットする。


スプリングアッパーシートをセットする。


スプリングコンプレッサーをセットする。


スプリングを縮める。


バルブコッターを取り付ける。


もう半分のコッターを取り付ける。


バルブコンプレッサーを外す。


インテークバルブの組付けが出来た。


スプリングの頭を軽く叩いてコッターを落ち着かせておく。


続けてエキゾースト側の組付け。


先ほどと同じ要領でセットしていく。


これでバルブの組付けは終了。


カムシャフトの挿入。


回転部にはペーストを無っておく。


ブロックに当てないように慎重に挿入する。


最後まで挿入できたら回転を確認しておく。


ロッカーアームシャフトは2分割のため、両サイドから挿入することになる。


カムシャフトを固定する。


ロッカーアームの組付け。


インテークの1,2,3を組む。


インテークの4.5.6を組む。


インテークに関しては何も考えずにそのまま組んでいける。


エキゾーストの1,2,3の組み込み。


ロッカーアームがカムに乗らない様に、カムを回しながら組付ける。


エキゾーストの4,5、6の組み込み


最後の4番で組み方を見ていこう。


まず、スプリングをセットする。


次に、ワッシャーをセット。


そして、ロッカーアームをセット。


最後にカラーを入れて、シャフトを定位置まで挿入する。


これで、ロッカーアームのセットは終了。


ロッカーアームの位置決めリングのセット。


このリングを入れることによってカムの位置にロッカーアームが固定される。


全てのロッカーアームにセットする。


カムシャフトを回して各部の動きをチェックしておく。


ヘッドの組立が出来た。


下側には、どれかのバルブが出ている状態なので直接置いてはダメ。


この作業台のままで、ラップを巻いて組立まで保管する。

【シリンダーブロックの組立】

ヘッドが終わったので、シリンダーブロック側の組立に入る。


綺麗になったピストン。


ピストンピンの穴にペーストを塗る。


ピストンピンにもペーストを塗る。


コンロッドの穴にも塗る。


ピストンとコンロッドをピンでセットする。


奥までしっかりとピンを挿入する。


6個の組付け。


ピストンピン固定リングをセットする。


コンロッドを上下に分離する。


一度メタルを外して付いているオイルを綺麗に拭き取る。


ピストン側も綺麗にする。


メタルにペーストを薄く塗りつける。


ピストンリングにはペーストではなく、オイルを塗っておく。


ピストンリングの中まで染込ますためだ。


ピストンリングの切り欠け方向。


フロント方向から、約3等分に振り分ける。

切り欠けがサイド方向には向かないように注意する。

ピストンのフリクションによってシリンダーに傷が入るのを防ぐ為だ。


ピストンリングコンプレッサーでリングを縮める。


ピストンと同径になるまで締め付ける。


シリンダーに挿入する。


このとき後ろ側で、コンロッドがシリンダーに当たらないように注意する。


ピストンリングコンプレッサーをシリンダーにしっかりと当てる。


ピストンの頭をハンマーの柄などで押し込む。


シリンダーに入れば、クランクシャフトにはまるようにゆっくりと押し込む。


上の状態の裏側の様子。


コンロッドカバーをセットする。


固定ボルトのセット。


トルクレンチで45Nmで締め付ける。


ピストンの組み付けが終了。


ピストンヘッドの形で向きは一目瞭然。

【オイルポンプの組立と取り付け】

ヘッドとブロックが終わったので、オイルポンプの組立をして取り付けをする。


全体にオイルを塗って組み立てていく。


アウターローターのセット。


インナーローターのセット。


インターミディエイト プレートのセット。


とは言っても、このプレートは前後のケースで挟みこむ。


ケースのドッキング。


このポンプはシール類は一切使っていない。


組立ボルトの仮止め。


位置決めのピンが無いので取り付け後に本締めする。


ポンプの取り付け。


右側にはシムが1枚入っている。


ボルトで仮固定。


左側にはシムが3枚入っている。


固定とともに本体のボルトも締め付ける。


軸が軽く回るのを確認しながら締め付ける。


ブロックを起こして、チェーンとスプロケットの取り付け。


オイルポンプチェーンテンショナーの新旧比較。


黒くて良く分からないが、下が新品。


板バネの当てカラーのセット。


板バネを少し曲げてセットする。


このテンショナーはさほど効いていない。


E−リングで固定する。


エンジンの中でE−リングを使うのってどうかと思う。


スライドレールの新旧比較。


もちろん下が新品。


スライドレールをセットする。


これもE−リングで固定。


タイミングチェーンテンショナーの新旧比較。


テンショナーのセット。


んん? なんかおかしい。


E−リングがセットできない。


新旧確認。


あれ? 幅が違うし。。。。(−−;



そういえば、古いほうには削った後が・・・・・


え〜い、削っちゃえ。(~o~;


これで無事にセットできる。


部品組むのに加工が必要ってどうよ。(−−;

各セクションの組立が出来た。かな〜り簡単に書いていますがそれぞれノウハウがあるので、良い子のみんなは真似しないでね。(^o^)b

明日からはエンジンを形にしていく。 その5へつづく。


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