【はじめに】
今までは、ブッシュを交換するときは秘密基地のプレスで作業をしていた。でも自宅でも手軽にブッシュの交換が出来るように出来ないかと考えていた。
そこで、市販のブッシュリムーバーを参考に作ってみることにした。
油圧式のタイプと手動のネジ式の両方に対応するものを製作する。
【ブッシュリムーバーの製作】
ブッシュと一言でいっても色んな種類が存在する。
アッパーアーム、ロアーアーム、リアアクスルキャリア、トレーリングアームなどなど。
形や寸法が違うので、それぞれにあった冶具が必要である。
油圧式には、これを使うことにした。
油圧パンチャーだ。
薄い板などに大きな穴を空けるときに使う工具である。
これのポンプとシリンダーを使う。
この油圧シリンダーに合うように冶具を製作する。
使い方はパンチャーと同じ方法である。
【冶具の製作】
例としてリアアクスルキャリアのブッシュ(茶筒)の冶具の製作を紹介しよう。
まずは、旋盤で円形に加工する。
旋盤では加工できない部分をフライスで加工をする。
他にも同じ要領で製作をする。
これは以前に製作してあったもの。
今回一緒に作った部品。
ちなみにこれが、先ほどのブッシュ用の一式。
このままでは錆びてしまうので、防錆処理をする。
黒染めと言うもので、鉄の表面に酸化皮膜を作って錆を防ぐものだ。
黒染め剤を水で8倍に薄めて部品を浸す。
左のものがほんの数分で右のように真っ黒になる。
2〜3分で定着するので、水洗いする。
そのままでは直ぐに錆びてくる。
そこで、仕上げ剤(オイル系)に10分ほど浸ければ出来上がりだ。
仕上げ剤をある程度拭き取っておく。
注、メッキとは違うので油分がなくなると錆が発生するので油分を残す必要がある。
最後にブランド名を入れれば完成だ。
どこのブランドかって?
ALPYブランド。(爆)
【ブッシュリムーバーの使用方法】
とりあえず、たまたまあったトレーリングアームのハブベアリングを抜いてみた。
ベアリング(ブッシュ)にあった冶具を選定する。
冶具に記号を入れて分かりやすくしてある。
このベアリングを抜く場合は、Bの記号が打ってある冶具を選ぶ。
後はポンプを押していけばシリンダーが作動してブッシュを引き出してくれる。
シリンダーのストロークが少ないので先端の冶具を追い込む必要がある。
シリンダーは小型でいいが、ストロークが25mmしかない。
追い込み1回でベアリング(ブッシュ)が抜ける。
挿入時は冶具の使い方を逆にすればOK。
とりあえずこのハブベアリングは成功した。でもこのトレーリングアームのブッシュを作業しているときにシャフトが千切れてしまった。(;^.^A)
もう少し強度のあるもので作り直しだ。 それと別の方式の冶具も作ることにしよう。