【はじめに】
80年代、90年代のBMWのフロント足回りは「ダブルジョイント・ストラット」で2本のアームが使われている。
スラストアームとコントロールアームだ。このアームにはボールジョイント側とブッシュ側がありブッシュは入れ替えが出来るようになっている。
ただ、ボールジョイントは一体成形の為取り換えは出来ない。
以前に、そのボールジョイントを再生する方法を紹介したが、今回その作業のご依頼を頂いた。
【ピロブッシュの入替え】
ご依頼のアームは、ブッシュに替わってピロブッシュが装着してある。
届いたアームたち。
コントロールアームはアルミ製のものだった。
このピロブッシュは、今は無きパワーステーション製だ。
ケースはアルミ製で圧入タイプになっている。
ピロは手で軽く動く状態で、すでに終わっている。
圧入状態ではピロが抜けないのでケースごと抜き取る。(^o^)b
会社のプレスで簡単に抜き取り。
あっという間に全て抜けた。
止め輪を外してピロボールを取り出す。
オークションで購入した新しいピロボール。
ケースにセットする。
プレスでアームに圧入する。
ケース自体はアルマイト加工してあるが圧入の為そうなんかいも作業できない。
圧入が出来なくなったらケースの寿命だ。
スラスト方向にはほとんど力が掛らないので緩くても問題ないけどね。(~o~;
これでピロブッシュ側はしっかりと直った。
【ボールジョイントの再生】
以前に紹介した手順で作業する。 まずブーツを外してグリースを綺麗に拭取る。
指先で簡単に動くほど劣化したボールジョイント。
プレスにセットして、油圧を徐々に掛けていく。
手で確認しながら進めていく。
4本とも新品のときの固さに戻った。
カシメ部分をプレスしているのでそう何回も出来ない。
特にアルミ製のアームは他の部分も潰れるので1回が限度。
鉄製なら2回は再生できるかな。(^o^)b
新しいグリースを充填してブーツを元に戻す。
これで新品に近く再生できた。
アルミの方は、サービスで綺麗にしておいた。
其処のあなた、ボールジョイントがダメだからって捨ててないかな。 捨てる前にご一報下さい。(笑)