2012年2月18日 デフファイナルギヤの交換1(分解編)


【はじめに】

今回はデフのファイナルギヤの交換依頼を頂いた。以前に当ガレーヂでデフの交換をしたR100RSさんからである。

以前に交換したデフに異音が出だして、日に日に酷くなるそうで、何とかしたいとご相談を頂いていた。

色々と検討した結果、デフの交換をすることになった。交換序でにファイナルギヤの交換とLSDの組み込みも一緒に行うことにした。

1)デフ本体は、以前に外したもの(ファイナル3.15オープンデフ)を使う。
2)ファイナルギヤは、現状の3.91からより適正な3.73、3.64、3.46の中から入手可能なものとする。
3)LSDは、転用可能なE36M3のものを購入して組み込む。


【デフの分解】


入手できたのが、このデフでE36もの。



当初はE39の予定だったが、ピニオンギヤの寸法が違ったので断念。

ちなみにギヤ比3.64だった。


このE36のは、珍しい3.46のギヤ比である。(^o^)b


まずはオイルを抜き取る。


何故か2L以上のオイルが入っていた。


入れ杉〜(~O~;


インプットフランジの固定ネジを外す。


ナットの周り止めをラジペンで引き抜き。


このナットはキツク締まっているのでインパクトを使う。


プーリー抜きを使うが手でネジ込めば抜けてくる。


このフランジには数種類あって、これは使えない。


アウトプットフランジを外す。


このフランジは差し込んであるだけなのでバール等で抉れば抜けてくる。


デフのリアカバーを外す。


カバーを開けるとデフ玉が姿を現す。


デフを取る為、サイドカバーを取り外す。


このカバーはO−リングで嵌っているので、均等に持ち上げて外す。


O−リングの部分が抜けると簡単に外れる。


このシムでバックラッシュやフリクショントルクを決めている。


念のため左右の位置とシムの厚さを記録しておく。


これで、デフ玉が取り出せる。


このオープンデフはバッカンへ消えていく。(笑)


デフ玉を取り出すとようやくピニオンが顔を出す。


デフ玉に付いているスピードセンサーの羽根を歪めない様に外す。


リングギヤのボルトを緩める。


ところがめちゃくちゃ固い。(~o~;


バイスに挟んでブレーカーバーにパイプで延長してやっと緩んだ。(笑)


後はインパクトでボルトを外す。


ボルトを少しねじ込んで頭を叩くと、リングギヤが抜けてくる。


最後はドライバーの一撃で外れる。


ピニオンギヤの抜き取り。


プレスにセットして加圧していく。


あまり力も掛けずスンナリと抜けた。


上側のベアリングも一緒に抜けている。


下側のベアリングを抜く。


通称ギロチンをセットしてプレスに掛ける。


こちらも殆ど力を掛けずに抜けた。


これでファイナルギヤの摘出終了。(^o^)b


ギヤは内部で、このように組み合わさっている。

ここから先は不要な作業だが、参考のために全ての分解の様子を記録しておく。


インプットフランジのシールを抜き取る。


シールの奥にベアリングが見える。


サイドカバーのシールとベアリングを外す。


シールは裏側から叩けば簡単に抜ける。


ベアリングのインナーレースが残っているので抜き取る。


デフケースに付けると叩きやすい。


左右ともこれを行う。


デフ側のベアリングアウター。


ケース内に残っているベアリングアウターレースを抜き取る。


奥側には調整用のシムが一緒に入っている。


このシムの厚さを確認しておく。


外側のアウターも抜き取る。


ピニオン側のベアリングアウターとシム。


デフ玉のベアリングも抜き取る必要がある。








注、画像はLSDです。


これで、全ての分解出来た。(^o^)b


ギヤ以外は不要なのだが・・・

(バッカン行き)(~o~;


こちらが今回のために集めたファイナルギヤ。


左上:E36 3.46、右上:元々の3.15。

左下:E39 3.64、右下:E36M3 4.10(LSDに付いていたもの)


E39のものだけ寸法が違うのがお分かり頂けるだろう。


元々のデフも全く同じ作業を行って準備しておく。


こちらのケースは使用するので綺麗にしておく。


ケースリアカバーはアルミなので洗浄液で洗う。


綺麗になった。


他のネジやフランジなども綺麗に整備しておく。


序でにLSDのオーバーホールもする。


って言うのは建前で、中身が見たかっただけである。(爆)



BMW純正のLSDでロック率25%である。


順番通りに置いていく。


汚れたオイルと鉄粉が混ざり合っている。


各パーツの状態を確認しながらばらしていく。


プレートの1枚に偏磨耗が見られた。

しかし組立時に裏返しで使うことで解決する。


これでLSDの分解完了。


綺麗にオイルを拭き取って組立を待つ。
 

ここまで来るのにひと月近く掛ってしまった。 お待たせして申し訳ありませんが今しばらくお待ち下さい。(笑)

組立編に続く・・・・


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