【はじめに】
今回はデフのファイナルギヤの交換依頼を頂いた。以前に当ガレーヂでデフの交換をしたR100RSさんからである。
以前に交換したデフに異音が出だして、日に日に酷くなるそうで、何とかしたいとご相談を頂いていた。
色々と検討した結果、デフの交換をすることになった。交換序でにファイナルギヤの交換とLSDの組み込みも一緒に行うことにした。
1)デフ本体は、以前に外したもの(ファイナル3.15オープンデフ)を使う。
2)ファイナルギヤは、現状の3.91からより適正な3.73、3.64、3.46の中から入手可能なものとする。
3)LSDは、転用可能なE36M3のものを購入して組み込む。
【デフの分解】
入手できたのが、このデフでE36もの。
当初はE39の予定だったが、ピニオンギヤの寸法が違ったので断念。
ちなみにギヤ比3.64だった。
このE36のは、珍しい3.46のギヤ比である。(^o^)b
まずはオイルを抜き取る。
何故か2L以上のオイルが入っていた。
入れ杉〜(~O~;
インプットフランジの固定ネジを外す。
ナットの周り止めをラジペンで引き抜き。
このナットはキツク締まっているのでインパクトを使う。
プーリー抜きを使うが手でネジ込めば抜けてくる。
このフランジには数種類あって、これは使えない。
アウトプットフランジを外す。
このフランジは差し込んであるだけなのでバール等で抉れば抜けてくる。
デフのリアカバーを外す。
カバーを開けるとデフ玉が姿を現す。
デフを取る為、サイドカバーを取り外す。
このカバーはO−リングで嵌っているので、均等に持ち上げて外す。
O−リングの部分が抜けると簡単に外れる。
このシムでバックラッシュやフリクショントルクを決めている。
念のため左右の位置とシムの厚さを記録しておく。
これで、デフ玉が取り出せる。
このオープンデフはバッカンへ消えていく。(笑)
デフ玉を取り出すとようやくピニオンが顔を出す。
デフ玉に付いているスピードセンサーの羽根を歪めない様に外す。
リングギヤのボルトを緩める。
ところがめちゃくちゃ固い。(~o~;
バイスに挟んでブレーカーバーにパイプで延長してやっと緩んだ。(笑)
後はインパクトでボルトを外す。
ボルトを少しねじ込んで頭を叩くと、リングギヤが抜けてくる。
最後はドライバーの一撃で外れる。
ピニオンギヤの抜き取り。
プレスにセットして加圧していく。
あまり力も掛けずスンナリと抜けた。
上側のベアリングも一緒に抜けている。
下側のベアリングを抜く。
通称ギロチンをセットしてプレスに掛ける。
こちらも殆ど力を掛けずに抜けた。
これでファイナルギヤの摘出終了。(^o^)b
ギヤは内部で、このように組み合わさっている。
ここから先は不要な作業だが、参考のために全ての分解の様子を記録しておく。
インプットフランジのシールを抜き取る。
シールの奥にベアリングが見える。
サイドカバーのシールとベアリングを外す。
シールは裏側から叩けば簡単に抜ける。
ベアリングのインナーレースが残っているので抜き取る。
デフケースに付けると叩きやすい。
左右ともこれを行う。
デフ側のベアリングアウター。
ケース内に残っているベアリングアウターレースを抜き取る。
奥側には調整用のシムが一緒に入っている。
このシムの厚さを確認しておく。
外側のアウターも抜き取る。
ピニオン側のベアリングアウターとシム。
デフ玉のベアリングも抜き取る必要がある。
注、画像はLSDです。
これで、全ての分解出来た。(^o^)b
ギヤ以外は不要なのだが・・・
(バッカン行き)(~o~;
こちらが今回のために集めたファイナルギヤ。
左上:E36 3.46、右上:元々の3.15。
左下:E39 3.64、右下:E36M3 4.10(LSDに付いていたもの)
E39のものだけ寸法が違うのがお分かり頂けるだろう。
元々のデフも全く同じ作業を行って準備しておく。
こちらのケースは使用するので綺麗にしておく。
ケースリアカバーはアルミなので洗浄液で洗う。
綺麗になった。
他のネジやフランジなども綺麗に整備しておく。
序でにLSDのオーバーホールもする。
って言うのは建前で、中身が見たかっただけである。(爆)
BMW純正のLSDでロック率25%である。
順番通りに置いていく。
汚れたオイルと鉄粉が混ざり合っている。
各パーツの状態を確認しながらばらしていく。
プレートの1枚に偏磨耗が見られた。
しかし組立時に裏返しで使うことで解決する。
これでLSDの分解完了。
綺麗にオイルを拭き取って組立を待つ。
ここまで来るのにひと月近く掛ってしまった。 お待たせして申し訳ありませんが今しばらくお待ち下さい。(笑)
組立編に続く・・・・