【はじめに】
今回は純正リモコンのキーの部分が交換できないかとのご相談を頂いた。
実は以前に、社外セキュリティーのリモコンを純正のリモコンキーに移植できないかと考えて加工したことがあった。
なので、「可能です。」とお伝えすると「是非とも。」と今回のご依頼になった。
【リモコンキー及びスペアキーの分解】
送っていただいたリモコンキーとスペアキー。
リモコンキーは他車のもので使用できない。
スペアキーは、御依頼主の車のもの。
リモコンに関しては、自車に登録すれば問題なく使える。
まずは、スペアキーの方から切開してみる。
移植にはこの握りの部分が重要なのだ。
握り部分はゴム製なので簡単にカットできる。
キーの3枚おろしの出来上がり。(笑)
この形状だと問題なく移植可能である。
リモコンキーの分解をする。
裏のキャップを取り外す。
差し込んであるだけなので、ドライバー等でコジれば外れる。
固定ネジ2箇所外す。
蓋を外す。
と、ここまでは電池交換の手順だ。
リモコン基盤を取り出す。
ドライバーで端をコジると簡単に出てくる。
これで、リモコンキーの分解終了。
【リモコンキーケースの加工】
ケース製作時の金型の跡。
この筋に沿って加工する。
カッターを使って少しづつ切り込んでいく。
カッターの先を使って慎重に作業する。
無理をすると、手を切ることになるので注意。
内側も同じく切り込みを入れていく。
こちら側は穴があるので簡単にカットできる。
反対側は深いのでカッターを叩きいれる。
以前にやって、キーがどこまで入っているか分かっている。
なので作業も早い。
全体に切り込みが入ったら、両手で折るように力を入れる。
すると、パカッと割れる。(^o^)v
切込みが少ないと余計なところが割れる可能性がある。
リモコンキーも3枚おろし〜。
これで、移植の準備は出来た。
【キーの加工】
スペアキーをリモコンキーの形状に加工する。
バイスプライヤーでしっかり固定する。
形をケガキ写す。
固定している間に穴を明ける。
このケガキに沿って加工する。
まず、大まかにカットする。
ここからはヤスリで仕上げていく。
2枚を重ねて同じくらいまで削っていく。
形が整ったら細かな部分(R部など)を仕上げていく。
これで、キーはOK。
ケースに合わせてみる。
バッチリだ。(^o^)b
組み立てると、ほら元通り。(笑)
ケースをパネルボンドで貼り合せる。
このプラスチックは熱硬化性樹脂の為、プラリペアは使えない。
このパネルボンドはボディーにも使える物なので強度は十分。
2液タイプなのでそれぞれ同じ分取り出す。
量ではなく押し出し寸法で計る。
普通はミキシングノズルを使うのだが、少量なので直に出した。
しっかりと混ぜ合わせる。
キーとケースにタップリと塗りつける。
貼り合わせる。
ボンドがはみ出るのを確認する。
内側も確認。
足りなければもう一度ボンドを付け直す。
しっかりと押える為、クリップで固定しておく。
完全硬化まで24時間放置する。
24時間後。
完全に固まっている。
はみ出た部分を綺麗に整えていく。
周りの部分とツライチになるまで削り取る。
表は見えるところなので入念に仕上げる。
内側も基盤が入るので仕上げる。
使っているのは彫刻刀だ。
細かな作業にはもってこいだ。(^o^)b
赤外線LEDの穴も綺麗にする。
仕上げ終了。
ボンド自体が黒に近いのであまり違和感は無い。
これにて成形終了。
リモコン部を元に戻す。
電池を入れる。
蓋を付ける。
ネジ止めする。
最後にキャップを付ける。
これで完成だ。
リモコンキーは結構高い。スペアキーだとリモコンが使えないので不便だ。
スペアキーが有れば、リモコンキーをオークション等で入手し、この方法でもう一つリモコンキーが出来る。(^o^)b