2013年4月10日 アルピナシフトノブ(レプリカ)


【はじめに】

アルピナのシフトノブ、言わずと知れた貴重な品である。 しかももう生産終了で入手不可能になってしまった。(T_T)

「無いならば作ってしまおうシフトノブ。」(笑)

構造や作りは凄く簡単なので問題なく作れる。 ただ材料は何が良いのか?芯材はどうするのか?と問題もある。



【アルピナシフトノブ】

このウッドのシフトノブも材質や仕上げ方法の違いで色々な種類が存在する。

  
このノブはニス仕上げ無しの木の素材を生かしたタイプ。

  
芯材はプラスチック製で接着固定してる。

 

【芯材の製作】

まずは芯材から始める。


一番最初に考えたのは、純正のシフトノブの利用。


中古品のノブを分解して芯材だけ使おうと考えた。( ̄▽ ̄;


でも、分解して分かったが中古品は芯材が割れていた。


握りの部分はゴム製なので強くシフトすると芯材に負担が掛るようだ。


プラリペアで補修してみたが、直に別の所から割れてしまった。


新品なら問題ないが、金額的に勿体無い。( ̄ェ ̄;


オークションを徘徊して探したのが社外品。


一応Febiのメーカー品。


価格は6漱石。


まずは、分解。


シフトパターンの取外し。


周りのプラスチックに切り目を入れて切断する。


プラスチックが芯材に嵌っているので取れにくい。


何とか分離成功。


心材の溝部分にしっかりと付いていた。


これなら回ったり抜けたりする心配はない。


先端に錘らしき金属がはまっている。


確かにノブ自体は重い方が操作性は良い。


櫛状になっている部分はカット可能なようだ。


この内部構造のため一から作るのは難しい。


プラスチックといってもゴムより少し固いくらい。


芯材を加工してみる。


櫛上の部分を削るとこんな感じ。


寸法に仕上げて完成。


錘も生かしてみた。


ちなみにこれは、壊れたオリジナルノブの補修に使用する。


まだ、6漱石でも高いのでもっと安いのを探してみた。


どう見てもFebiの模造品と思わしきものを見つけた。


製造国は書いてない。


でも、きっとあそこだな。( ̄▽ ̄;



これで、3.4漱石だし分解しても惜しくない。(爆)


オリジナルと比べると櫛の本数の少ないこと。(笑)


櫛の部分は削るので問題なし。


同じように加工する。


接着剤の付を良くするため溝を掘る。


そのまま、穴に挿入すると付けた接着剤がかきとられて付が悪くなる。


彫刻等で極浅い溝を周囲8本入れる。


これで、この溝に接着剤が残ってしっかりと貼り付く。


これで、芯材の加工は終了。

【ノブの製作】


どんな木が適しているのか分からないので、簡単に手に入るもので試作する。


左:黒檀、中:白木?、右:アルミ。


中央の桜はホームセンターで売っている安い木だ。

90cmで1漱石。


黒檀は30cmで4.5漱石。

アルミは1個、0.8漱石。


まずは穴を明ける。


これが芯材の入る穴になる。


エンブレムの入る部分の加工。


買った材料で取れるだけ作ってみる。


内径の加工は終了。


外形の部分を削る為、冶具を製作。


冶具にセットする。


外形の細い部分の加工。


少しづつ削っていく。


アール部分の加工。


アール形状にしたバイトで削っていく。


握りのアール部分の加工。


ここも成形したバイトで一気に形にする。


形が出来たら、ペーパーで滑らかに仕上げていく。


ペーパーの番手を細かくして綺麗に仕上げる。


ゲージに合わせて見る。


バッチリの仕上がり。(^o^)/


冶具から外して完成。


この作業を残りの数だけ続ける。


出来上がったのがこちら。


桜は、柔らかいのでササクレが出来る。


黒檀が良い感じで仕上がった。


これだけのノブが出来た。


試作なのに量産。(爆)


内、芯材があるのは6本だけだが。


接着剤はこれを使用。


木工用のボンドを使ってみたが乾燥が遅い。


半乾きでの使用が出来ないので時間が掛る。
(半乾きの場合、挿入不可能。)


彫ったミソの部分にたっぷりと付ける。


速やかに挿入する。


奥まで挿入したらしばらく押えておく。


瞬間だけあって直に引っ付いた。


6本のシフトノブが完成。


右上の1個は、BMW純正ノブの芯材を使用している。


エンブレムを付ければ出来上がり。


エンブレムは方向が有るのでシフトレバーにセットして取り付ける。


一つ惜しいのは、シフトのエンブレムが手に入らないことだ。


オリジナルは左、右はハンドル用の34パイのエンブレム。



ハンドル用だがアルピナの純正品を使用する。


オリジナルは、シルバーの部分が立体に作り込んである。


それに、外周にシルバーのリングがない。



ハンドル用は完全に印刷仕様である。

【ノブの表面仕上げ】


桜の仕上げをしてみる。


艶のない木の質感を生かした仕上げ方。


オイルステイン、これで好きな色に着色できる。


数回塗ると木目が綺麗に出てきた。


この上からオイルフィニッシュで磨けば完成。


次に艶のあるニス仕上げ。


ウレタンカラーニスを塗ってみる。


最初は木に染み込むので少しづつ重ね塗りする。


乾いたらペーパーで表面を整えてを繰り返す。


色んな組み合わせで好みの仕上げに出来る。


ちなみに、

黒檀は磨き上げて素材を生かす。

アルミは磨き上げて鏡面仕上げ。


出来上がったシフトノブの装着画像。


桜艶なしオイル仕上げ。


黒檀磨き上げのみ。


これが一押し。(^o^)b


アルミ鏡面仕上げ。


これもなかなか良い感じだ。(^o^)v

結構良い感じで作ることが出来た。 オリジナルは日焼けや割れを起こす可能性があるので大事に取っておこう。(^o^)b

また、希少価値がでて今後入手できなくなるので、尚更大事にしたい。

あくまでも個人の為のものです。 申し訳ありませんが、一般のご依頼で製作していませんのでご了承下さい。


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