2013年11月2日 ブロワモーターの修理


【はじめに】

久しぶりの依頼品である。(笑) しかも今回はBMWではなくポルシェのパーツに対する依頼だ。

物はエアコン用のブロワモーター、BMWにも付いていて同じBOSCHのものなので応用は効くはずである。

修理内容は、定番の鈴虫対策。( ̄▽ ̄; 年数が経過するとベアリング部のオイルが切れて、音が出だす症状である。

オイル切れなので注油すれば良いが、奥の方に取り付けてあるので取り出す必要がありいちいち面倒だ。

またBMWと違って、ポルシェのブロワは左右別々についていて一個が12諭吉するらしい。(爆)



【芯材の製作】


流石に新品は買えないとのことなので引き受けることにした。( ̄▽ ̄;


BMWの場合モーターの両方に羽根が付いているが、こちらは別々。


なんて贅沢な。( ̄ェ ̄;


まずはブラシのバネを外してコミンテータをフリーにする。


それから、シャフトの位置決めリングを外す。


羽根を外す必要があるのでプーリー抜きを使う。


ただ、普通のものでは入らないので先端を加工した。


羽根を壊さないように慎重に抜き取る。


無事に羽根が抜けた。


モーター固定用のカバーを外す。



これで、モーターだけ取り出せた。(^o^)b


ここからはモーターの分解に入る。


まずは、メタルホルダーを固定してある爪を起こす。


この爪は折れ易いので慎重に作業する。


爪が全部外れたら、ホルダーを分離する。


これで取り外せる。


反対側も同じように外してコアと一緒に取り外す。


メタルはブラシホルダーの後ろなのでホルダーを外す。


これも爪で固定してあるのでコジれば簡単に外れる。


これがメタルである。


メタル押さえを回して外す。


反対側も同じように外す。


ただし、コアが付いたままなので作業はし難い。


コアにメタルが付いたままなので抜き取る。


先端(右端)のものは羽根に付いているスリーブである。

抜いた際にこちら側に残ってしまったのだ。


これで、全てのパーツの分解が出来た。


一応2種類のベアリングを購入してみた。


縁付きの方は、加工が必要、縁無しは無加工で付くが問題あり?


って事で、縁付きでいくことにした。


メタルホルダーの穴を大きくしてベアリングが入るようにする。


これで、加工は終了。


シャフトの固定をする必要があるのでカラーを製作。


ホルダーにベアリングをセットする。


穴に対して少しガタがあるので周囲を押えておく。


ベアリングを押える為にメタル押さえをそのまま利用する。


メタル押さえの端を押えながらホルダーにはめ込む。


ベアリングに換装終了。


ブラシホルダーをセットする。


固定の爪を倒してホルダーを固定する。


ハウジングにベアリングホルダーを取り付ける。


爪を倒してしっかりと固定する。


シャフトにカラーをセットする。


ハウジング内にコアを挿入する。


シャフトをベアリングに通す。


外側にもカラーを入れる。


止め輪を付ければシャフトの固定OK。(^o^)/


反対側のホルダーをセットする。


ハウジングにしっかりと固定する。


ブラシのバネを元に戻す。

これでモーターの組み立ては完了。

  

  
このベアリングを使った事で、元のサイズをほとんど変えずに換装することが出来た。

 


モーター固定用のカバーを付ける。


羽根にスリーブを戻す。


叩いて入れると羽根が割れる恐れがある。


そこで、ボルトを使ってゆっくりと入れることにした。


ナットを締めていく。


元の位置までしっかり挿入する。


モーターを立てた状態で固定する。


このとき荷重はシャフトで受けるように置くこと。


羽根をセットする。


羽根自体ではなくスリーブを叩くように冶具を置く。


ハンマーで規定の位置まで叩き込む。


先端が少し出るこの状態で完成。

で、この後事件が起こる。( ̄▽ ̄;

 


折角出来上がったのに台から落としてしまった。


当たり所が悪かったらしく磁石が割れてしまった。_| ̄|○


どうするか相談したところBMW用が一個余ってるとのこと。


寸法も合っているようなので至急送ってもらうことにした。


送っていただいたのがこれ。(^o^)b


BMWの両方に羽の付くタイプだ。


折角なので両方を比べてみる。(^o^)v


ブラシホルダー。


形状は少し違うが、端子も同じなので転用は可能。


コアとシャフト。


コアは同じでシャフトだけが違っている。

カットし加工すれば使える。


転用する場合、コミンテータの磨耗状態をチェック。


ハウジング。


サイズは全く同じだが、当然品番は違う。

BMW  0 130 630 030

ポルシェ 0 130 063 068


径は全く同じ。


長さも細部形状も全く同じ。


メタルホルダーの形状に違いがある。





結論:BMW用のモーターはポルシェに転用可能。(少し加工が必要) (^o^)v


BMWのハウジングを使って再組立。( ̄▽ ̄;


今度は落とさずに組立できた。(爆)


これにて作業は終了である。


念のため回転テストを行う。


実際には12V掛ることは無いがこれでテストする。


問題なく回った。


もちろん回転も超スムーズである。


これでベアリングの寿命まで音が出ることは無い。


と言うか、ベアリングよりコミンテータの方が寿命が短いと思う。( ̄▽ ̄;


もう一台もOK。

これでモーターのベアリング換装手順が出来た。 ただし、ホルダーのカシメ部分はそう何回も起こせないので2回が限度かもしれない。

またベアリングの寿命は延びたが、コミンテータの寿命が先に尽きたらモーター自体の交換が必要になります。


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