2014年4月6日 ゲトラグミッション比較(265/6, 260/6, 280/5)


【はじめに】

幸か不幸か期せずして3種類のゲトラグ製ミッションが手元に集った。(笑)

組み立ててしまうと比較が出来ないので、今のうちに3種類の比較をしておくことにする。( ̄▽ ̄;

でもこれってなんの参考になるんだろう?(爆)



【ゲトラグミッション比較】


左から265/6、260/6、280/5である。


265はベルハウジングが分離出来るようになっている。


260と280の違いは、センターケースが有るか無いかの違い。

但し、どの部品も品番は違っていて共通ではない。

もう少し詳しく。

年代的には、265が先で260になって280の順である。
この3種類共に/5と/6が存在している。

265/5は、5速スポーツクロスレシオ、5速オーバードライブも有り。
265/6は、5速オーバードライブ。

260/5は、5速オーバードライブ、スモールシックス用、ケース下面にフィン無し。
260/6は、5速オーバードライブ、ビッグシックス用、ケース下面にフィン付き。

280/5は、5速スポーツ。
280/6は、6速?

ゲトラグには謎が多いので他にも種類が存在する。
現に280/5の前期と後期ではパーツや構造も違う。


主に使用される車種。
265/5は、E30 M3。
265/6は、E28 528e 535i、E24 635CSi、E23 735i。
260/5は、E30、E28などのスモールシックスエンジン。
260/6は、E30 M3、E28 535i、E24 635CSi、E32 735i。
280/5は、E28 M5、E24 M6、E34 M5。

 

各ミッションの変速比は次のようになっている。(web上の資料より)

  265/6 260/6 280/5
1速 3.82 3.83 3.51
2速 2.20 2.20 2.08
3速 1.40 1.40 1.35
4速 1.00 1.00 1.00
5速 0.81 0.81 0.81
3.70  3.46 3.71

 


高さは265が一番高く、280、260の順番。


寸法で言うと、
265=548mm。
280=535mm。
260=491mm。
何れもベルハウジング面からアウトプットフランジまでの寸法。

となっている。


ベルハウジング側。


これに関しては、何れもビッグシックス用なので同じ。


ただ、265だけは他のものに交換が可能である。


アウトプット側。

265だけが全く違う形状になっている。


インプットシャフト(4速ギヤ)。


微妙に長さが違っている。


歯数。
265=26枚。
260=26枚。
280=26枚。


アウトプットシャフト。


サイズ形状共に全く違う。


3速ギヤとシンクロ。


歯数。
265=31枚。
260=30枚。
280=29枚。


シンクロのサイズも違う。


2速ギヤ(手前)とシンクロと1速ギヤ(奥)。


2速ギヤ歯数。
265=37枚。
260=37枚。
280=35枚。

1速ギヤ歯数。
265=38枚。
260=41枚。
280=43枚。


Rギヤ(手前)シンクロと5速ギヤ(奥)。


Rギヤ歯数。
265=34枚。
260=37枚。
280=34枚。

5速ギヤ歯数。
265=23枚。
260=26枚。
280=26枚。


レイシャフト(カウンターシャフト)。


260用のみ構造が違う。

メインギヤ×カウンターギヤの歯数をまとめると次のようになる。(但し、Rの中央は反転用のギヤを示す。)

  265/6 260/6 280/5
1速 38×13 41×14 43×16
2速 37×22 37×22 35×22
3速 31×29 30×28 29×28
4速 26×34 26×34 26×34
5速 23×37 26×42 26×42
34×19×12 37×21×14 34×19×12

4速は直結なので歯数は関係ないが、全てのギヤがこのキヤを介して作動している為記載しておく。

この歯数を元に計算すると、上記の変速比と合致することが分かる。

 


各ギヤの位置関係はほぼ同じである。


違いとしては265と280が中間にベアリングがある。

その為、シャフト自体長くなっている。


このミッションはギヤにはす歯を採用している。


平歯よりも強く、静かなのが特徴である。


ただし、スラスト力(軸方向力)が発生する。


265のギヤを当てて確認してみる。


260に当てると軸芯がズレる。


これはギヤの捻れ角が違っている証拠。


280に当てても軸心がずれる。


と言うことは、265のギヤのねじれ角が緩いのだ。


シフトフォーク。


265の配置は他の2つと全く違う。


シンクロのサイズが違うので、当然フォークも違う。


材質にアルミと真鍮があるのはなぜだろう?


どう見ても真鍮の方が適してると思うのだが。( ̄▽ ̄;


最後はアウトプットシャフト。


このように3種類もあった。( ̄▽ ̄;


高さが違うだけでどれにでも合う。


左は260に付いていたもの。

中は265。

左は280。


全てこの組み合わせなのかは不明。
年式や車種によって変えているのかも知れない。

こうやって比較すると、なぜ?ってことが沢山分かってくる。 実に面白い。( ̄▽ ̄;


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