2011年3月21日 オールアルミラジエター その1(製作編)


【はじめに】

プチオフのときにDOPさんのご助言により、水温の不安定はラジエターの容量であることが判明した。

それも2層と3層の違いだった。なんとなく薄いな〜とは思っていたが言われるまで気が付かなかった。(~o~;

そこで3層タイプに換えるべく各方面にご協力いただいた。



【3層ラジエター】


最初にB11についていた銅製3層ラジエター。


訳あってジャーク・Sさんの所へ嫁いでいた。

で、その後不要になったようなので返却して頂いた。


それから、750用3層アルミ製ラジエター。


BMW E32 FORUM」で御馴染みのJB1さんからご好意で譲って頂いた。


まずはこの2つを比べてみる。


上:750用。
下:B11用。


コアの幅は750用は650mm、B11用は610mmと40mmの差がある。


なお、縦は435mmと同じである。


同じ3層なのでコアの暑さは43mmと同じ。

【ラジエターの漏れテスト】


まずは、銅製のラジエターから。


ラジエター内に水を入れて、INとOUTに栓をして空気入れで圧を掛ける。


IN側サイドタンクのカシメ部から漏れ。


どの道これでは使えないので分解してみる。


ドライバーでカシメ部分をめくっていく。


IN側。


漏れのあった方で、パッキンが硬化している。


このパッキンが漏れの原因である。


OUT側。


こちらは前に漏れたのかシール剤が塗ってあった。


どちらもコアには詰まりは見られなかった。


次はアルミ製のラジエター。


先ほどと同じようにラジエター内に水を入れて、INとOUTに栓をする。


圧力を掛けるまでもなく、入れる端から漏れてきた。(~o~;

どちらもこれでは使用は出来ない。なので修理か製作と言うことになる。

パッキンを換えて組めば漏れは止まるだろう。しかしサイドタンクがプラスチックである以上いつかは壊れる。そこで製作することで計画する。

銅製の方はサイドタンクの製作が面倒(銅で作る必要がある。)なのでアルミ製を使って製作することにした。

【オールアルミラジエターの製作】


アルミ製のラジエターの分解。


IN側から。


銅製とカシメ方が違う。


同じようにドライバーでめくっていく。


全てめくり終えたらドライバーを隙間に差し込んで取り外す。


錆はあるものの良い状態だ。(^o^)b


サイドタンクの製作で問題になるのがこれ。


ATFクーラーである。

クーラーと言うよりはヒーターと言った方がいいかもしれない。


後で考えるとしてとりあえず取り外す。


ちょっと無理をして入れてある。


タンクを広げながら抜き取る。


このクーラーもアルミ製のようだ。


OUT側。


右側が下になる。

下の方は水流が悪いので錆が溜まりやすい。


取り外したサイドタンクの寸法を測定して図面かする。


出来るだけ溶接部分が少なくなるように展開図にする。


実際の大きさで印刷する。


型をハサミで切り取って、3mmのアルミ板に写し取る。


隙間には細かな部品類も写す。


形が複雑なのでバンドソーでカットする。


場所によってジグソーも使用する。


カット終了。


これだけで結構な時間が掛ってしまった。(~o~;


大きな曲げはプレスで曲げる。


細かな部分は鋼材を使って、木槌で叩いて曲げていく。


これが結構大変だ。


かなりの時間が掛ったが何とか出来た。


小さな部品を説明しておこう。


これはオイルクーラーの取付部分になる。


こちらはラジエター上部固定用の凹部分。

出来たサイドタンクが付くかどうか確認する。


ラジエターの方を加工する。


カシメ部分を切り取って溶接できるようにする。


試しにはめてみた。


バッチリだ。(^o^)v

残りの部品を製作する。


これが無いとエンジンとつなげない。


出入り口ノズルを旋盤で加工する。


抜け止めと漏れ止めを細工した。


そのほかの細かな部品もできた。

これで全て出来たので、プラスチックのサイドタンクと比べてみよう。


IN側サイドタンク。(゚▽^*)dグッ!


OUT側サイドタンク。(゚▽^*)dグッ!


形状は少し変更してある。


こちらはマウントのゴムが付く部分。


ラジエターに付けるとこんな感じになる。

ここからは、アルミの溶接作業に取り掛かる。


最初は角タンクの部分から始める。


折り曲げた部分の仮止めを行う。


アルミはすぐに熱を持ってしまうので冷やしながら交互に溶接する。


アルミは熱伝導性がいいのでちょっとの溶接で熱くなる。

熱くなると同じ電流でも溶け方が変わるので冷やす必要がある。


角タンク部分が終わったらノズルをつける。


下マウント部は内側から溶接する。


上マウント部も内側から溶接する。


これが後々仇となる。(~o~;


これでサイドタンクの溶接が終了。


上マウントの角穴を明ける。


リューターで形を整える。

小さな穴類は、溶接後に明けるようにしてある。 これは溶接による歪や溶けるのを防ぐ為である。


温度スイッチ用の穴を明ける。


タップを立てる。


エア抜きノズルの穴を明ける。


ドレンノズルの穴を加工してプラグが入るか確認する。


サイドタンクの完成。


ラジエターに合わせてみる。


溶接による歪もなくピッタリだった。


ラジエター側のつばを叩いてタンクに密着させる。


隙間があると先に溶けてうまく溶接できない。


このように隙間が無いようにする。


タンクを荷造り用PPバンドで絞めて固定する。


仮止めをする。


仮止めできたらPPバンドを外す。


本溶接する。


ラジエター側が薄いので難しい。


なんとか溶接終了〜。


最後にオイルクーラー用ステーの溶接。


これでラジエターの完成。

問題はこれから、溶接がちゃんと出来ているかテストする必要がある。。。。つづく


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