【はじめに】
ご依頼でミッションの実運転テストを行ってきたが、2月の下旬辺りから3速に入らなくなることが時々起きていた。
しばらく様子を見てきたが3月下旬ついに3速に入らなくなってしまった。( ̄ェ ̄;
原因は大体推測出来ているが分解しないといけない。 その為には代わりのミッションが必要になってくる。
外した以前のミッションは点検が必要だったので急遽点検をすることにした。
【マニュアルミッションの点検】
載せ換えてそのままになっていたゲトラグ280。
クラッチ事件があってから一度点検したいと考えていた。
もっとゆっくりと行う予定だったが必要に迫られ点検する。(笑)
では、早速分解。
この辺は手順が分かっているのであっと言う間。( ̄▽ ̄;
まずはギヤのチェックから。
このミッションをオーバーホールした時の最大の変更点。
4速カウンターギヤの反転。
カウンターギヤを反転させて綺麗な歯面を使うようにした。
インプットシャフトは新品を使用。
正回転方向の歯面。
特に問題なく綺麗な歯当たりが付いている。
アクセルオフ時に当たる歯面。
右側がカウンターギヤ、新品のギヤによって新たな歯当たりが付いている。
車体から外してしばらく放置していたのにオイルもしっかり残っている。
その他の部分についてもチェックしてみる。
フロント側。
各ギヤに問題は見られない。
リア側。
こちらのギヤも問題なし。
今回一番の懸念事項のシンクロの状態。
まずは1速から。
クラッチ事件の時に無理して入れたのでシンクロの歯が磨耗している。( ̄〜 ̄;
だが、早急に換えないといけないレベルではない。
2速シンクロ。
特に問題はなさそうだ。
3速シンクロ。
角が少し丸くなっている程度で問題なし。
4速シンクロ。
先端に磨耗痕があるが問題なし。
5速シンクロ。
多少磨耗はあるが問題なし。
リバースシンクロ。
磨耗はあるが問題なし。
以上の様に心配していたような状態ではなかった。これならそのまま組立をすれば再使用可能になる。
運行時に気になっていたのが2速へシフトする時の引っ掛かり。( ̄〜 ̄;
原因を調査したがどうやらこれが怪しいことが分かった。
シフトロッドの位置決め機構部。
ここはローラがバネによって押し付けられている所。
そのローラーの当たる部分が長期の使用によって磨耗している。
しかも3・4速の位置ばかり、それもその筈一番頻度が高いからだ。
この部分がここまで磨耗するとその横の部分がローラー以外のところに当たってしまう。
そのためシフトが渋くなっているのでは?と思い当たったのだ。
ダメもとで表面を綺麗に均してみる。
余り削らないように注意して段差が無いように仕上げる。
これで、引っ掛かりが無くなってくれれば良いのだが。( ̄▽ ̄;
あとは組立直して終了。(爆)
これで、乗せ替えが出来るようになった。 早速載せ換えて次は260を再オーバーホールだ。(笑)