2011年1月30日 アルピナマフラーの内部構造


【はじめに】

以前にE34、32の純正マフラーの内部構造紹介した。 今回は運よくアルピナのマフラーが手に入ったの内部構造を調べるべく分解してみた。

数あるBMWのサイトの中でも初の試みではないだろうか、それでは詳しく見てみよう。

 

【アルピナマフラー】


ALPINA B12のマフラー。


本来は一体構造であるがこれは途中で切断されている。


リアマフラー(メインマフラー)。


ALPINAの証。


BOYSEN製である。


排気入口側の腐食が激しい。


2重壁の外側は完全になくなっている。( ̄▽ ̄;


腐食によりパイプが抜け出してくる始末。(−−;


排気出口側はそれほどではないが、パテで補修した後が見られる。


センターマフラー(サブマフラー)。


こちらも、ALPINAの証。


BOYSEN製である。


排気入口側。


特に腐食等の問題は無く綺麗だ。

さて、分解してみる。 まずは構造の推測が出来るセンターマフラーから始めよう。

【センターマフラーの分解】


今回は再利用も考えて分解する。


周囲の折り返し部分をカットして外すことにした。


上下に仕切板を溶接してあるので其処もカットする。


しっかりと切っていくと途中で隙間が出来てくる。


そこをこじるとカバーは外れる。


カバーは2枚重ねになっている。


もう一枚も外す。


グラスウールがしっかりと詰めてある。


この部分は比較的温度が高いので水分の発生は少ない。


グラスウールとスチールウールを取り出す。


思ったとおりの構造だった。


一応、2室に分かれており、パイプの穴の数も変えてある。

【リアマフラーの分解】


こちらも同じように折り返し部をカットする。


出口のパイプ部は溶接してあるので大きめにカットする。


しっかりとカットしたら隙間をヘラでこじて開けていく。


こちらもカバーは2重だが一緒に外れた。


3室の内、1室にはグラスウールが入っていない。


グラスウールとスチールウールを取り出す。


下側のグラスウールは水分を含んで重くなっている。


排気入口側。


パイプがパンチングになっている


排気出口側。


こちらのパイプに穴は無い。

内部パイプのアップ画像。


              出口                          中間                           入口

 

どうやら中間部分の構造がミソのようだ。詳しく見ていこう。


中間部分。


パイプが2重になっているのが見える。


入口側からの様子。


入口側のパイプは差し込んであるだけなので簡単に外れる。


出口側からの様子。


こちら側は開放になっている。


少し分かりにくいので絵にしてみた。

パイプの点線部分は、パイプに穴が空いている部分。



1の部屋に入った排ガスはパイプの穴から出てグラスウールで消音。

2の部屋では2つに別れる。1つは外側のパイプに沿って3の部屋へ。
もう一つは中のパイプで外に排出される。

2の部屋でもグラスウールにより消音。

3の部屋に入った排ガスはお互いに衝突して打ち消しあう。

完璧にストレートの構造。 中間部分の構造で低速時は各部屋により静かになり、高速時は流速が上がりストレートに抜け出す。

これが、高消音、高効率なアルピナ排気システムである。

 


もう少し詳しく見るためパイプ部分を取り出す。


上下2段に分かれているが構造は同じである。


パイプのみの出口側からの状態。


パイプのみの入口側からの状態。


カバーも内外を分離してみた。


2重カバーの間には特に何も充填されていなかった。


カバーについてはノーマルと同じである。

【マフラーカッターの分解】

ついでに、マフラーカッターの構造も知りたくなったので分解してみた。


カッターの溶接部でカットする。


中のパイプは差し込んであるだけだ。


マフラーの一番最後の組立部品になっている。


出口側より。


外径からテーパ状に絞り込んである。


カッターの内部。


2重構造になっている。


本体側のパイプ。


カッターが差し込めるように口が広げてある。

かなり簡単な構造であった。これであの静かさと効率を両立しているのは驚きだった。

基本構造はそのままで、各部屋の容積を変更すれば好みの音に出来そうだ。

ALPINAマフラーならぬALPYマフラーに乞うご期待。(^o^)b


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